第4話

両片思い。
215
2017/10/17 09:19
ある暑い日のこと。
私はコンビニに行っていた。
玲美
玲美
あーーっつーーいー
私は溶けそうになった棒アイスを食べながら
蝉が鳴いている中を歩いていた。
玲美
玲美
なんで私がお父さんの本をわざわざ買いに行かなきゃいけないんや……
私はぶつぶつ独り言を言いながら
家に向かって歩いていた。

途中ある事を思い出して歩く向きを
くるっと変えて早歩きでスタスタ歩き始めた。
玲美
玲美
あっつ…。やっと着いたか。
ピンポーン♪
私は呼び鈴を鳴らして出てくるのを待っていた。
ガチャっとドアが開く音がして腑抜けた声が響いた。
ふあーい…
玲美
玲美
よっす。お邪魔しまーす
邪魔するなら帰ってや〜
玲美
玲美
あいよ〜ってなんでや!
わざわざ来てあげたんだから
感謝しなさいよ!
今日も自主ツッコミお疲れ様でーす。
どうぞお上がり下さいませお嬢様ー
玲美
玲美
お嬢様…
お嬢様と言われて少し〝ドキッ〟とした。
……まあ、言わないけど
玲美
玲美
ねーみなみーい
聞いてよー
今日もお父さんにパシられてさーあー
まじ暑かったーー
まあ、いいんじゃない?
親孝行って事で。
玲美
玲美
あんた、クールだねえ
あ、アイス食べる?
食べるー
暫く2人でアイスを食べてたわいもない話をしていたら
気づけば一時間も経っていた。
玲美
玲美
やっば、うち帰るわ。
パパに怒られる
私は靴を履きながらそう言うと
また来いよ!
今度はハーゲンダッツ買ってこい。
玲美
玲美
ふざけんなw
じゃあねー南。お邪魔しました〜
ドアがガチャっと閉まる音がすると
私は走り出した。
玲美
玲美
はあ〜〜、、、
南と今日も話しちゃった〜〜っ
アイスも一緒に食べれたし幸せだあ〜!!
私は表向きは男勝りだが、
内面は可愛い物が大好きな女子高生。
私は急に足取りが重くなり
歩くスピードが落ちていった。

トボトボと歩いていて
ふと呟いた。
玲美
玲美
……内面知られたら嫌われちゃうかな。
まあ落ち込んでいても仕方ない。
私は駆け足で家に向かった。
玲美
玲美
ただいまー。
玲央
遅かったな、玲美。
パパの本はー??
玲美
玲美
ほら
私は買ってきた本をポイっと
お父さんが座っているソファーに投げた。
美由(みゆ)
こら玲美!
物は投げちゃダメでしょ
玲美
玲美
はいはーい。
私はそう言うと急いで階段を上り
自分の部屋に入った。
私の部屋にはピンクやぬいぐるみ、
可愛いものが基本的に置いてある。
今までこの部屋を見せたことは
〝ない〟

本当は南と部屋で話したいけど……
そんなん引かれるし絶対無理、
私はその後
お風呂に入って
ご飯食べて。
いつも通りのことをした。
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次の日

教室のドアを開け

いつも通り友達と過ごしていた。
楽しい。けど、
何かが足りない
玲美
玲美
うーん。
私は悩んで悩みまくった末、
何が足りないか結局分からなかった。

ボーッとしていると
グラウンドから賑やかな声がした。
私はチラッと横目で見ていると
クラスの男子
南ー!
ボールそっち行ったぞー!
任せとけ!
そう言うと見事にシュートを決めた。
玲美
玲美
……かっこいい。
無意識にそう呟くと
華恋
華恋
なあにー?
また南君見てんのー?
あんたもイケメン好きねえ
華恋にそう言われ教室を見渡すと、
クラスの女子がキャーキャー言っていた。

……南はモテるのです。凄く。

私は深いため息を着くと
華恋にこう言われた
華恋
華恋
早く告んないと誰かに先越されるよー?
華恋はそう言いながら自分の席へ戻っていった。
玲美
玲美
分かってるけど……
私は本当の自分を南に見せれていない。
だからもし嫌われたら……
そう思うと南に言えずにいる。

片思いを始めてはや4年。
そろそろ言わなきゃなー…と思い
今日売店で買ったチョコレートを
口に入れた。
玲美
玲美
甘い…。
恋愛はミルクチョコレートの逆。
ブラックチョコレートの方が合っている。
そりゃ甘い時もあるけど。
ほとんどは苦い。


……今日なら南に言えるかな。

私は授業が終わると
荷物をしまい急いで南の教室に行った。

たまたま運が良く、南が荷物をしまっているところだった。

私は声をかけようとして、
すぐ口を閉じた。
未来
未来
南くん、
私と付き合って下さい!
……未来ちゃんだ。
可愛くて女子力高くて
皆からの人気もある。

南はこういう子が好きなのかな……

未来ちゃんからの告白の返事はきっと
〝YES〟だ。
あんな完璧な子、南は振らないだろう。


私は返事を聞く前に走って帰った。
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(南目線)

未来
未来
南くん、
私と付き合って下さい!
嬉しいけど、ごめん。
俺好きな人いるから
未来
未来
……もしかして、
玲美ちゃん?
そう。だからごめん
未来
未来
で、でも
私と付き合った方が皆からの人気高くなるし、評判も良くなるよ、?
だ、だからさ……!
ごめん。
俺そういうので付き合う奴眼中にねえんだわ。
未来
未来
……っ!
俺はそう言った後、
今日こそは言おうと思い
玲美の家に向かって走った。
暫く走っていると
雨が降ってきた。

雨宿り出来る所まで走って
暫く雨が止むのを待っていると
玲美の後ろ姿が見えた。

声をかけようとして
俺は唖然とした。

玲美が俺の知らない男子と寄り添って帰っていた。
玲美、彼氏いたんだ……
俺は悔しくなって涙ぐみながら走って帰った。
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(玲美目線)


私の初恋、だったんだけどな……
私は途中で雨が降ってきたが、
気にせず走って帰っていた。

すると、クラスメイトの横井が走ってきた。
横井
お前、風邪引くぞ!
そう言って傘に入れてくれた。
今の私は優しくされると駄目みたい。
涙が止まらない。
玲美
玲美
横井ありがと…
横井がぎょっとした顔で見てきた
横井
お前…なんかあったん?
玲美
玲美
失恋した
突然の事に今度は唖然としていた。
横井は私の肩を寄せて
横井
……濡れるぞもっとくっつけ。
玲美
玲美
ありがと……っ
私は家に着くまでずっと泣いていた。


その次の日、南と私は良くすれ違ったが、
お互い話しにくかった。

私達はだんだん話さなくなって
遂に卒業式を迎えてしまった。


私は友達に失恋したことと、
南が未来ちゃんと付き合っていることなどを話した。

すると、後から分かったこと。

南は私の事が好きで
未来ちゃんとは付き合っていなかった。

私は後悔した。

何であの時返事も聞いてないのに
逃げ出したりしたんだろうと
自分を責めた。

私達は大学に進学し、
お互い違う道を歩んだ。

私達は会話を交わすことなく
終わってしまった_______________.




END

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