第5話

先輩。
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2017/10/18 07:43
未来
未来
ねえ華恋ちゃん
私好きな人がいるんだけど、
協力してくれないかな??
華恋
華恋
あー、うん。
分かった。いいよ
未来
未来
本当!?
やったあ!
実はね、1個上の先輩なんだけど、
超かっこよくて!
華恋
華恋
あー、もしかして武先輩?
未来
未来
そうそう!
でね、その先輩のID教えるから
武先輩とメル友になって私のいい所
言ってくれないかなあ…?
華恋
華恋
分かった〜
未来
未来
ありがとう!!
期待してるね♪
_____________________________________________
その日の夜、約束通り未来が私に武先輩のIDを送ってきた。
取り敢えず追加してみよう。
華恋
華恋
急にごめんなさい💧
私未来の友達です🙌
良かったら仲良くして下さい
武  裕翔(たけ  ゆうと)
武 裕翔(たけ ゆうと)
よろしくね〜
未来から良く話は聞いてるよ!
華恋
華恋
そうなんですか!?
そういえば未来って
凄い可愛いと思いませんか??
スタイルいいし
武  裕翔(たけ  ゆうと)
武 裕翔(たけ ゆうと)
そうだね〜、
まあ妹っぽいよね笑
華恋
華恋
妹かー、
ちょっと分かります笑
武  裕翔(たけ  ゆうと)
武 裕翔(たけ ゆうと)
だよね〜笑
華恋
華恋
でも彼女にするなら
未来がいいと思いません??🤔
武  裕翔(たけ  ゆうと)
武 裕翔(たけ ゆうと)
うーん。
彼女とか考えたことなかったわ笑
華恋
華恋
そうなんですか笑
先輩もしかして好きな人いるんですか?
武  裕翔(たけ  ゆうと)
武 裕翔(たけ ゆうと)
いないから募集中 笑
華恋
華恋
笑笑
先輩に毎日こんな風に未来のいい所を言っている内に私は先輩の事が気になり始めてしまった。

先輩と未来が付き合ってしまったら。
私はそればかり考えてしまう

でも未来と約束したんだから自分の気持ちは抑えよう
そう思ってた。
武先輩が気になり始めて5日くらい
経ったとき、
ついに私は武先輩が好きになってしまった。
思いを伝える気はない。
伝えれない。

___________だって未来の好きな人だから
自分の気持ちを隠し通して一週間経った頃
未来が放課後に私のとこへ来た。
未来
未来
華恋〜〜っ
華恋
華恋
どうしたの?
未来
未来
私武先輩に告白しようと思うの
華恋
華恋
そうなんだ……
告白する。そう聞いたら
私の胸は〝ズキッ〟とした。
棘が私の胸を締め付ける。


でもこれで良いんだよ。
未来が武先輩と付き合えれば、
それで良い。

武先輩に未来のいい所を沢山言ってきたから
イメージは好印象だろう。

私は、
華恋
華恋
頑張ってね
そう言った。

私の初恋は終わった。
家に帰ると
真っ直ぐに自分の部屋に行った。

スマホを開くと
武先輩とのトークがあった

それを見たらまた〝ズキッ〟とした

その日は顔をくしゃくしゃにして
泣いて泣いて泣きまくった。

明日にならないで欲しい
私はそう願った。
明日もし武先輩と未来が一緒にいる所なんて見たら
また泣いてしまう。


私はそう思いながら眠りについた
_____________________________________________
次の日の朝
私は憂鬱な気持ちで教室へと足を進めた

ガララッとドアを開けると
未来の姿があった。

未来は私を見つけると駆け寄ってきてこう言った。
未来
未来
私先輩に振られた。
好きな人がいるからって。
私はえ?っと思った。
華恋
華恋
……先輩の好きな人は誰なの?
未来
未来
分からない。
けど、優しい子だって言ってたよ
華恋
華恋
そうなんだ…
未来とは付き合っていない
そう聞くと少しホッとした。
でも、先輩には好きな人がいた。

その真実がまた私の胸を刺した。
〝ズキッ、ズキ〟と胸が痛い

先輩の好きな人は
優しい子。

私じゃない事が確信した。

だって私はずるいから。
未来の好きな人を好きになってしまった私は最低だ。

決していい子じゃない。

未来に協力出来ないって言っていたら少しは違ったんだろうか。
私も先輩に告白出来ただろうか。

そんな事を考えていたら気づいたら教室に誰も居なくなっていた。

私は急いで荷物を片付け教室を出た。

下駄箱に入れてた靴に履き替えて帰ろうとしたとき
誰かに名前を呼ばれた。

気のせいだと思ってそのまま帰ろうとすると
今度ははっきり名前を呼ばれたのが聞こえた。

くるっと振り返ってみるとそこには
武先輩がいた。

私は未来の事を聞かれると思った。
華恋
華恋
…未来なら帰りましたよ
武  裕翔(たけ  ゆうと)
武 裕翔(たけ ゆうと)
うん。分かってる
華恋に用があって待ってた
華恋
華恋
私に?
どうかしたんですか?
武  裕翔(たけ  ゆうと)
武 裕翔(たけ ゆうと)
俺、華恋が好き
私の事が好きと言われ
私の胸は高まった。

〝嬉しい〟
〝私も好き〟

咄嗟に出ようとした言葉を
私は抑えた。
華恋
華恋
えっ……
でも私達は実際
メール以外で喋ってませんよね?
部活も違うし…
武  裕翔(たけ  ゆうと)
武 裕翔(たけ ゆうと)
でも俺華恋が好き
俺じゃダメ?
華恋
華恋
ダメ…です。
だって先輩は未来の好きな人だから
武  裕翔(たけ  ゆうと)
武 裕翔(たけ ゆうと)
未来の好きな人が俺だから付き合えないの?
華恋
華恋
……はい。
けど、先輩の事は好きです。
でもごめんなさい。
先輩とは付き合えないんです
本当は付き合いたい
でも未来の気持ちを考えたら
付き合うことなんて出来なかった。
武  裕翔(たけ  ゆうと)
武 裕翔(たけ ゆうと)
なんだよそれ…
じゃあお前の気持ちはどうなんの?
無駄にすんの?
華恋
華恋
私は先輩に思いを伝えれた。
それだけで十分なんです
武  裕翔(たけ  ゆうと)
武 裕翔(たけ ゆうと)
お互い好きなのに
付き合わないとか意味わかんねえよ……
先輩は俯いて泣きそうな顔をしていた。
華恋
華恋
せんぱ……
先輩に触れようとした手を私は引っ込めた。

私はこの場をどうしたらいいか分からなかった。
華恋
華恋
先輩ごめんなさい…っ
私は先輩を一人残して逃げ出した。
冷たい空気が頬を撫でる。
私は息を切らしながら家へ帰った。


先輩ごめんなさい。
あんな顔させるつもりじゃなかったんです
ただああ言うしか無くて……


そうメールを送ろうとして
私の指はピタッと止まった。


お互い好きなのに
誰が付き合ったらいけないって決めたの?
……私だ。
怖くて逃げてただけだ。
好きな人にあんな顔させて傷つけて。

私は何をしてるんだろう。

そう思うと
涙がポロポロ溢れ出した。
私は手の甲でゴシゴシ目を擦ると

「先輩今から〇〇公園に来れませんか?
私ずっと待ってます」

とメールを送った。

私は先輩からもう逃げない。
そう決心すると
急いでコートを羽織り
公園に向かった。
私は公園のベンチに座って待っていた

すると何かが頬を冷たいものが伝う。
空を見てみると
雪が降ってきていた。

天気予報では雪が降るなんて言っていなかったのに……と思っていると

走ってくる足音が聞こえた。
武  裕翔(たけ  ゆうと)
武 裕翔(たけ ゆうと)
用って、何?
私は先輩に見つめられ
パッと目を逸らしたが、すぐに先輩の方を見た。

まず言わなきゃいけない事がある。

先輩が好きで
一緒にいたいってこと。

私は寒空の下
勇気を振り絞って言った。
華恋
華恋
私……先輩から逃げてました。
友達を理由にして付き合わないなんて
最低だと思いました…。
私は先輩には笑ってて欲しいんです。
先輩の隣で一緒に笑っていたいです
だから……
〝付き合って下さい〟
そう言おうとした瞬間先輩に抱きしめられた。

突然の事にパニックになってしまい、
あたふたしていると
先輩が深いため息をついた。
華恋
華恋
ごめんなさい…
今更迷惑ですよね……っ
ああ、また泣きそう。

そう思っていたら先輩が急に笑い出した。
武  裕翔(たけ  ゆうと)
武 裕翔(たけ ゆうと)
バカだな、迷惑なわけないだろ笑
俺さ、お前に振られた後ずっと考えてた。
華恋の気持ち全然考えてやれてなかった。
本当は明日謝って
もう一回告白するつもりだったんだ
華恋
華恋
そう…なんですか。
でも私より未来の方が可愛いじゃないですか、
なんで私なんですか、?
武  裕翔(たけ  ゆうと)
武 裕翔(たけ ゆうと)
俺は華恋の方が可愛いと思ってるよ
じゃなきゃ告白してねえし。
俺華恋の隣に居たい
だから俺と……
華恋
華恋
先輩、待って下さい。
続きは私に言わせて下さい
私は先輩の言葉を遮ってこう言った。
華恋
華恋
私先輩が好きです
もう逃げません
付き合って下さい
私は今にも泣きそうな目でじっと先輩を見つめた
武  裕翔(たけ  ゆうと)
武 裕翔(たけ ゆうと)
はあ〜〜……
先輩はため息をつきながら私を強く抱きしめた。
武  裕翔(たけ  ゆうと)
武 裕翔(たけ ゆうと)
良かった。
嫌われたかと思った…
ありがとな、華恋
華恋
華恋
嫌うわけないじゃないですか。
先輩の事大好きですし…
武  裕翔(たけ  ゆうと)
武 裕翔(たけ ゆうと)
あーーもう!
帰るっ
先輩は急に立ち上がってそう言った。

もっと一緒にいたかったな……

なんて思っていたら

先輩が手を差し伸べて
武  裕翔(たけ  ゆうと)
武 裕翔(たけ ゆうと)
…ん。
先輩は耳を真っ赤にしながら
私の手をとった。
華恋
華恋
……先輩。耳真っ赤ですよ
武  裕翔(たけ  ゆうと)
武 裕翔(たけ ゆうと)
……これは寒いからだし。
華恋
華恋
……ふふっ
武  裕翔(たけ  ゆうと)
武 裕翔(たけ ゆうと)
笑ってんじゃねえよ!笑
華恋
華恋
先輩が可愛くて、つい。笑
武  裕翔(たけ  ゆうと)
武 裕翔(たけ ゆうと)
〜〜〜っ
華恋
華恋
先輩、可愛い
私達は手を繋いだまま暫く笑っていた。

勇気を出せて良かった。
そう思える

私は心の中で呟いた。
これからもずっと好きです、
先輩のこと__________。



END

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