転んで
ストッキングが破れて、膝から血が出てきて通りすがりの人のクスクスって笑い声が聞こえたりして、もうなんだか涙が出てきて泣いちゃったの。
大泣きよ。
二宮くんも、もう行っちゃったんだろうな〜って思ってたら
まだいたの。
しかも、自分の着ていたジャケットを脱いで私にかけて、立たせてくれて、歩くときに支えてくれたの。
(あ、ちなみにみんな気になるだろうから言っておくけど、二宮くん変装してて深く帽子被って、眼鏡かけてたから周りの人たちは気がついてなかった)
二宮くん優しすぎるでしょ?
こんな女を助けるなんて。
二宮くんは、なにかを話すわけでもなく、泣きながら歩くあたしを支えながらゆっくり歩いてくれたんだよね。
しかもね、家まで送ってくれたんだ。
本当に嬉しかった。
だから、そのお礼をと思って家に寄っていきませんか?って言ったら、『うん。お邪魔しようかな?』って言ってくれたからほっとした。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。