花梨side
志織に打ち明けてから約1ヶ月が経った今日。
侑奈がバイトの面接でなんとかかんとかって言われたからいつも3人で帰ってる帰り道を今日は太陽と2人。
なにかといって小さい頃から侑奈と太陽が離れることは無くて私と太陽2人の空間は16年間過ごしてきてほんの少ししかない。
だからかな、私の心臓はバックバクで太陽が一生懸命話しかけてくれてるけど私の耳にはほとんど届いてない。
太陽「花梨?聞いてた?」
花梨「え、あ、うん!聞いてなかった笑」
太陽「えー!なんだよ、ちゃんと聞いとけよ笑」
花梨「で?なに?笑」
太陽「来週末3人で遊びに行かね?」
花梨「え?あ!ごめん、私その日お兄ちゃんの大学行くんだよね…」
太陽「えー、まじかよ…じゃあ、侑奈と2人じゃん。」
花梨「え、、、なんか、行きたいとこに会ったの?私も行こっかな笑」
太陽「え、あーうん。博覧会あったから行きたかった。」
花梨「あ、そーなんだ!今週末にしない?」
太陽「今週末は侑奈がバイト入るって」
花梨「あ、、、、そーなんだ!じゃあ、2人で行ってきなよ!」
太陽「おう!そーするわ!ごめんな!」
花梨「…ううん!大丈夫!楽しんできてね!」
侑奈の用事は把握してるんだ。
侑奈の用事は配慮するんだ。
考えすぎなのかな。
嫌だった、前まで侑奈の話が出ても全然嫌じゃなかったのに太陽から侑奈の話が出てきたら嫌だった。
太陽と2人だったのに、太陽の心の中には侑奈が居て侑奈の心の中には太陽が居て私の心の中には侑奈と太陽が居る。
私だけ?2人心の中にいるのは。
2人は私のことなんかこの時には眼中になかったの…?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。