志織と電話してわかった。
柏谷さんは昔の僕と同じ状況なんだ。
あの時、僕は親友に好きな人取られてめっちゃ悔しかった。
これ以上悔しいことなんてあるのかってくらい悔しくて…
恥ずかしいけど毎晩泣いてた。
俺が幸せにしてやりたかったって、
でも、出来んものは出来ないんだよな。
分かってたよ、だからだからこそ
柏谷さんがいまいる状況を助けれるのは僕だって思った。
だって、僕はその悔しさ知ってるもん。
〜LINE〜
司「柏谷さーん?」
花梨「はぁい?」
司「今度の日曜デートしない?」
花梨「え?」
司「あ、いや、あの嫌だったら全然いいんだけど」
花梨「いや、行くよ!羽柴くん面白そうな人だったし!」
司「え!ほんと?!じゃあ日曜10時に駅前で!」
花梨「はーい!」
僕が辛かった時志織が遊びに誘ってくれて
何回も断ったけど志織は
「気晴らししないでずーっと同じ空気まとわりついてたらモテる男もモテなくなるよ!」
って怒ってくれて遊びに行ったら久々に笑えた。
柏谷さんがどんな気分とか僕には分からないけど楽しませてあげることくらい僕にだって出来る。
この時僕はまだ知らなかった。
柏谷さんにどれだけの心の傷があったのか。
そのデートで柏谷さんが辛い思いしたか。
でも、あのデートが無かったらいまの僕達はいない。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。