相変わらず静かで冷たい部屋。だけど今日は、そんなこと忘れてしまうくらい幸せなことがあったから、気にならない。冷蔵庫にあったもので適当に晩ご飯を作って食べた。お風呂に入る前にラインを開いてみた。
オレオレ詐欺の手口のような挨拶。私が帰ってくる少し前にLINEがきていた。ていうか、LINEのアイコン。これ大樹?こんなイケメンだったけ?
私のアイコンはよくあるやつ。NIKEのマーク。私が選んだわけじゃなくて、舞子とお揃い。
私のLINEにはすぐに既読がついて、OKのスタンプが送られてきた。
お風呂から上がって大樹に
と送るとすぐにスタンプが返ってきた。
大樹の命令、仲良くして欲しいってそんなに友達いなかったけ?いや、大樹は友達多いほうだと思うけど…?後輩の女子からも人気があって、3年になってまだ、少ししか経ってないのに何人か告白もされたって聞くし。
そう言えば、彼女がいるって言うのは聞いたことないな。と言うより、普段はふざけてるんだけど、大樹って意外と真面目なんだよな。テストもそうだし、普段の生活も。周りがしてても、したらダメなことはしない。
だから、人気があるんだろうなー。そんなことを考えながら宿題を始めた。宿題を始めて30分ぐらいたった頃に、珍しく舞子からもLINEがあった。舞子は平日は基本的にLINEはしてこないんだけど。
こうして、私の一日は終わった。
すごく長かった気がするなあ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。