第27話

幸せ。
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2017/11/03 15:54
「……………」
「どうした、花音?」

甲斐先生の車の中。いい匂いがする。その匂いに緊張してしまう。

「花音の家ってどこだっけ?」
「コンビニの近くです…」
「ああ!そう言えば!まだ付き合う前に、コンビニで会ったよね!」

運転している甲斐先生の横顔をチラッと見た。

「ふふ、何?顔になんかついてる?」
「えぁ!?いや、そういう訳じゃ…」

楽しそうに笑う先生につられて、一緒に笑った。

「あ、そこ左に曲がってください」

家までの道を案内する。

「まだ真っ直ぐ?」
「ミラーのところ、左に曲がったところです」

左に曲がって左側にあるアパートが、今私が住んでいる家。

「あ、ここです」
「ほーい。何号室?」
「3号室です」

車から降りるのが、少し残念だった。

「じゃあ、ありがとうございました」

お礼を言ってドアを閉めた。すると、車の窓が開いて、

「気をつけてな。なんかあったら連絡していいから。今日は疲れただろうから、ゆっくり休めよ。おやすみ、花音」

と声をかけてくれた。

「おやすみなさい………」

本当は、二人きりだったから、優翔って呼びたかったんだけど、恥ずかしくなってやめた。

笑顔で手を振って甲斐先生は帰っていった。

玄関を開けると、相変わらず静かな空間。すぐにお風呂に入った。お風呂から出てきて、ご飯を食べた。今日は作る元気がなくなるだろうと思って、昨日作っておいた。料理の腕は、自分で言うのもなんだけど、良くなっていると思う。

ご飯を食べて、宿題をする。そのまま気づけば12時になっている。明日の準備まで終わらせて寝た。



夢の中に甲斐先生、いや、優翔が出てきた。


すごく幸せだった。



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