第53話

おにょ?
159
2017/12/27 07:37
二人で何枚か写真を撮ったあとは、テレビを見たりスマホをいじったりして時間を過ごした。

舞子
舞子
やほーい🙃🙃
元気かーい✋✋
21時頃に舞子からLINEが来た。
花音
花音
よーう✋✋
元気だよ〜👍👍
舞子
舞子
そかそか!
頼みたいことがあるんだけどもよき?
花音
花音
夏休みの宿題は写させねーぞ笑
舞子
舞子
バレた!!
やっぱりか…。確か、去年もこの時期に同じような会話をした気がする。
舞子
舞子
ダメー?
花音
花音
ダメだろ笑
ていうか、今宿題持ってない
舞子
舞子
おにょ?
今どこにおるん?
舞子からの返信を見て我に返った。なんて返そう。正直に大阪にいる、と送るべきか、適当にごまかすべきか。どちらにしても、優翔と一緒にいることだけはバレてはいけない。
舞子
舞子
かのーん?
花音
花音
いまねー、お好み焼き食べに来てるー
嘘をついてしまった。もし、写真を求められても大丈夫なように、今日のお昼に食べたお好み焼き屋を選んだけど、少し申し訳ない。
舞子
舞子
うわー、いいなー😳
舞子
舞子
じゃあ、しかたねーから他の子に答え送ってもらうわ👍
花音
花音
自分で解く努力をしやがれ笑
舞子
舞子
ほいじゃねー👐👐
花音
花音
ばーい👐
舞子とのLINEを終えて優翔の方をちらっと見た。スマホを開いて、テレビを見ているけど、目がうつらうつらしている。

「優翔?もう寝る?」

私が聞くと、小さく頷いた。可愛い。

テレビを消してベットの上の電気だけをつける。ダブルベッドは大きいけど、寝てみるとお互いの距離の近さにドキドキする。できるだけ意識しない様に優翔とは反対の向きに体を向ける。

「んん……花音…」

私の左側に寝ている優翔が私の名前を呼ぶ。

「…どした?」

できるだけベッドを揺らさない様に気を付けながら、優翔の方に体を向ける。予想以上に顔が近い。

優翔は何も言わず、私の目を見つめてくる。私も見つめ返すけど、緊張してずっと見ていられない。優翔から視線を逸らすと

「だーめ」

と言われて、顔を手で挟まれた。少し意地悪な笑顔のまま、変わらず目を見つめてくる。

「なに?」

無言が耐えられなくて私から口を開いた。

「俺の事好き?」

変わらず笑顔のまま聞いてくる。

「…うん。好きだよ」

目を見つめたまま言う。

「俺でいいの?」

今度は優翔が目をそらした。

「俺さ、今年で26だよ?」
「それ、ちょっと前にも聞いたことあるよ」
「教師だよ?」
「それも聞いたよ」

優翔が酔っていてうちに来た時もこんなことを聞かれた。私が静かに笑っていると、

「もっとさ、彼氏出来たー!って周りに言いたくならない?」
「まあ、少しはね?」
「デートも全然できないし」
「今一緒に大阪来てるじゃん」
「俺と一緒じゃ制限されることばっかじゃん?」

いつものポジティブな優翔じゃない。すごくネガティブだ。

「制限の分だけ一緒になにか出来た時、すごく嬉しくなるじゃん?」
「それでも、嫌になるでしょ?」
「……私のこと嫌い?」

そういうつもりで言ったんじゃないと分かっていても、少しだけ、私が不安になってしまう。

「いやいやいや!そういうんじゃない!」

慌てて否定する優翔に少し安心する。

「ふふっ、分かってるよ。でも、優翔がそういう感じのこと言ってくるからそうなのかなって」
「ほんとに、そういう訳じゃないから」

しっかり否定してくれる優翔を見て、ついというか、その場の雰囲気で



キスしてしまった。

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