第4話

道を変えても...
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2017/10/18 08:34

お母さんから電話が来て数分たった。いつの間にか電話は切れていた。

もう1度戻って助けないと!

懐中時計を手にして、その手を止めた。

どうやって助けよう。

悩みに悩んだ。でも、答えは一つだった。

帰る道を変えれば…大丈夫かもしれない!

懐中時計をギュッと握った。

.....今日の放課後に...!

ボタンを押す。
どんどん、巻き戻される。

教室に戻ってきた。また、あの時と同じ。
私はずかずかと勇気の所に歩いていく。

私「勇気!早く帰ろう!」

勇気の手を取り、強く引く。

勇気「ちょ、ちょっと待てよ!」

勇気は急いでカバンを取り、引かれるがままに歩いていく。


帰り道を歩いていると

勇気「そろそろ離してくれねぇか?」

私「あっ!ご、ごめん。」

私は急いで手を離す。

勇気「急にどうしたんだよ。」

私「違う道から帰ろ。」

勇気の質問を無視して違う道を歩く。

勇気「別にいいけどよ〜どうしたんだよ美夜。」

私「どうもしない!」

勇気の2歩先を歩く。
私達は何も話さずそのまま前に進む。

十字路のかどを曲がった時、

「危ない!」

誰かの声が響いた。

私「え?...」

後ろを向くと勇気の真上に赤く染まった鉄柱が落ちてきた。
一瞬、勇気の真上で時間が止まったように見えた。
勇気は鉄柱の下敷きになってしまった。鉄柱の山から赤黒い血が地面に色がっていく。

なんで!また、助けられなかった。
なんで、こんな道を通ったのかな!?

自分自身に八つ当たりをする。
私は首に掛けてた懐中時計を、服の中から取りだし、


20分前に!!.....


ボタンを押す。

巻き戻るにつれ心が痛くなる。

今度こそ、助ける!!

また、教室に戻ってきた。







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