第5話

トラックの次は...
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2017/10/18 08:35

私「勇気、帰るよ!」

ぐいっと腕を引っ張る。

勇気「どうしたんだよ!いきなり」

私「お願い...帰ろう」

震えた声で勇気の袖を握る。

勇気「.....そうだな!美夜から誘うなんて久しぶりだしな!」

眩しいスマイルをする。

そんな笑顔が好き...だからこそ助けたい!



帰り道、私は考えていた。どうしたら助けられるか。

そして、一つ思いついた。

トラックが来るまでまてばいいのかな?
可能性はあるかもしれない。

私「勇気、ちょっといい?」

勇気「何だ?」

私「ちょっと寄り道してかない?」

時間を稼ぐために!お願い...勇気!

勇気「おぉ!そうだな。買いたいものでもがあるのか?」

私「う、うん!あるある!」

本当は買うものなんてない。でも、しょうがないの。勇気を助けるための嘘だから。

勇気「何を買うんだ?」

私「ほ、本だよ!本屋さんに行こ!」

勇気「そうだな。」


私達は本屋さんに着いた。

買うものはないけど、探すフリをする。

勇気「何を買うんだ?」

私「え、えっと〜...しょ、小説だよ!小説。」

勇気「へぇー」

小説コーナーに移動する。
勇気はマンガのコーナーに行く。

かなり時間はたったと思う。
それでも、まだまだ。もうちょっと時間を!

勇気「見つかったか?」

10分ぐらいだったころ、勇気が聞きに来た。
時間は稼げたはず。

私「無かったー。」

勇気「んだよ!」

はぁ...とため息をして

勇気「帰るか」

私「う、うん」

私はまだ心配だった。油断は出来なかった。


帰り道、ソワソワしている私を見て勇気は

勇気「どうしたんだよ、そんなソワソワして。そんなに買えなくて落ち込んでいるのか?」

私「ち!違うよ!!」

わははっと、笑う勇気。
ずっと、ずっと、笑っていてほしい。大好きだから。

ついに、あの交差点に来た。

空はあの時と比べて、暗い。

かなり時間はたっている。だから、大丈夫なはず。

ドキドキと音を鳴らしながら信号を待つ。
チラチラと左右を何回も見ていた。

信号が青になり、渡る。
特に異変はない。道路を渡りきった。
でも、油断は禁物!まだなにかあるかもしれない。でも、会話もなくそのまま家に着いた。

何も...なかった。大丈夫だったのかな?...
でも、なんか胸騒ぎがする。

そんなことを考えているうちに、

勇気「じゃあな!美夜」

私「あ、バイバイ!」

急いで返事をする。
私と勇気は家に入った。

部屋に入り、ベットに寝っ転がった。

何もなかった。これで、安心してもいいのかな...?でも、心配。

カーテンを開け、隣の家の窓を見る。その目の前には、勇気の部屋。電気は付いている。

やっぱり、心配しすぎだったのかな?


私はご飯を食べ、お風呂に入り、寝た。



ある夜中、部屋の暑さと臭さに気がついて目が覚めた。

ぅう、、なんか…臭い。それに暑い。

目を開けると、所々に煙があり、2月だとというのにかなり、汗をかいている。

何...これ、

寝ぼけてて理解出来なかった。
これが、火事のせいだと。

私は急いでお母さんとお父さんを起こして外に出る。私の目に映ったのは、、、

火事で燃えている勇気の家だった。

お父さんは急いで消防車を呼び、30分後には火は消えていた。

幸い、私の家は燃えうつることなく無事だった。

勇気は?勇気は助かってるの?
無事なの?!

考えなくても、答えは分かっていた。

また.....無理だった。。。

そう頭に浮かんだ。それしか、考えられなかった。
消防士さんの言葉を聞く前に、私は理解してしまった。

そして、結果も同じだった。

また...また...ダメだった...!

私は部屋に戻り、懐中時計を取り出す。

時計をじーっと見る。
そして.......


今日の...放課後に.....!


これで4回目のタイムリープ。
巻き戻しされる目の前の光景。
胸が痛くても、辛くても。私は勇気を助ける...!絶対。

そして、またあの教室。

今度こそ、助ける.....!














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