第7話

“あの日”から
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2017/11/01 12:16


“あの日”があってから、何回、勇気を助けようとしただろうか。
もう、何回“あの日”を繰り返しているだろうか。

何度も車にひかれ、落ちたり、落とされたり。

何回、勇気を見殺しにしただろうか。

この罪は二度と消えない。

私の心は、もう跡形も無くボロボロに消えてしまった。

こんな私を勇気は許してくれるだろうか。




私は夜中、部屋で1人勇気を助ける方法を探していた。

どうしたらいいのかな。
どうしたら助けられる?



私は誰でもいいから相談したかった。でも、それは叶わなかった。

何度も誰かに伝えようとした。でも、声に出そうとすると喉が熱くて、痛くて、苦しくて、もうどうすればいいか分からなくなった。


もう、、疲れた。


私はただ、勇気に想いを伝えたかっただけだった。「すき」って伝えたかっただけだったのに。何もかもが上手くいかない。




諦めようか…




そう、思ってしまう。

でも、勇気が好きだから。大好きだから。
助けたいって思える。

諦めるなんて考えちゃダメだ。


勇気はいつだってあの笑顔を忘れなかった。
私は勇気が憧れていたのかもしれないな。


友達が多い勇気と、友達が少ない私。
勇気の周りにはいつも、人がたくさんいた。

勇気の笑顔は、とても眩しい。

私は笑顔をつくるのが苦手だった。素直に笑顔になれなかった。でも、勇気の前では素直に笑顔になれていたと思う。


勇気はいつも笑顔で接してくれた。
毎朝言ってくれる「おはよう」はとても、嬉しくて、勇気が大好きだなっていつも思う。


そんな笑顔を、勇気を守りたい!
だから、私はどうなったっていい。
勇気を助けられれば…...





ふと、頭に浮かんだ。




私はどうなったっていいんだ...!




そうだよね!勇気を助けられればいいんだもん。私なんてどうなったっていい。


勇気を見殺しにして、ズタズタにされたこの心は、罪は、私自身で補えばいいんだ!
勇気の...ためだもん。
大好きな勇気を助けたいんだもん!


私は首に掛けてある懐中時計を取り出し、ぎゅっと強く、でも優しく握る。







今日の放課後に.......!!







何度も見た光景。


今日で、終わらせる!

絶対、助ける!
この言葉を何回言っただろうか…



でも、今回は上手くいきそう!
そう思えた。





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