第4話

CODE BLUE#01-2
2,560
2018/01/03 07:57
医局での泊まり込みの緋山は自分だけしかいないことに気づき、ムッとなる。
緋山
緋山
フェローも帰ってんの腹立つわー
看護師
すいません、小児科の村野ですが、橘先生は?
緋山
緋山
えっと、まだいると思うんですが……今はいないですね
看護師
佐藤先生からこちらの検査結果、急ぎでお渡しするように言われたんですけど
緋山
緋山
じゃあ、お預かりしますよ。電話してみます
緋山は看護師から書類のはいったファイルを受けとるとPHSを取り出した。
橘にかけながら何気なく書類に目を落とす。
‘橘優輔’
緋山はハッとしてPHSを切った。
緋山はファイルを橘のデスクに置くと医局を飛び出した。
“私は……バカだ……。”
昇り始めた朝日のシャワーがドクターヘリの白い機体を洗い輝かせている。藍沢はヘリポートに足を運んでいた。体は疲れきっているはずなのに、心はとても晴れやかだった。
白石
白石
良かったね。悠斗くん、意識戻って
藍沢
藍沢
なんだ結局徹夜か
白石
白石
うん、出動記録まとめてたら帰りそびれちゃって
白石は藍沢の隣に立ち、缶コーヒーの1つを差し出した。
藍沢
藍沢
……サンキュ
白石
白石
どうかした?
藍沢
藍沢
……いや……
白石
白石
今日はありがとう……助かった
藍沢
藍沢
俺は脳外科医の仕事をしただけだ
白石
白石
そうね。でも、藍沢先生のおかげで目が覚めた。私が指揮官になれって
藍沢
藍沢
あぁ
白石
白石
昔はいつも現場に黒田先生や橘先生がいてくれて、私はその指示に従っていれば良かった。でも、今は私がその役割を果たさなきゃいけないのよね
藍沢
藍沢
悪い癖だな
白石
白石
え?
藍沢
藍沢
そう背負い込むな
白石
白石
……
藍沢
藍沢
お前はいつもじぶんの事は後回しにして、救命の事を考えてる。24時間。それはみんな知ってる。一人でやろうとするな。もっと周りの人間をこき使ってやればいい。お前が決めたことなら、みんな聞くさ
白石
白石
……
藍沢
藍沢
9年たってお前は救命の良心になった
藍沢は白石に背を向けて歩き出す。
藍沢
藍沢
お前ならどうする?
白石
白石
……?
藍沢
藍沢
救命で覚えることは一通り覚えた。今は脳外の方が面白い。
それだけでいいのか……
白石
白石
どっちでもいいと思う。
脳外でも救命でも。藍沢先生がメスを握ってさえいてくれれば。
だってどこにいたって、あなたは絶対に命から逃げない
藍沢
藍沢
……
藍沢は足を踏み出した。
数日後、救命センターのスタッフを前に三井は退職の報告をした。
三井
一番人手がいるときに勝手なことして……理解してくれて……感謝しています。ありがとうございます
さてと、カンファレス始めるか
みんなの体から力が抜ける。
あ、そうだ!その前にもうひとつあった。
……入ってきてくれ!
藍沢
藍沢
脳外からきた藍沢だ。よろしく
藍沢は談話スペースに飾ってある七夕飾りを見て、足を止めた。
藍沢は願いを書いていない。だから、その場で目を閉じ願った。
藍沢
藍沢
昔の様な笑顔で笑ってくれますように
藍沢は一体、誰のことを願ったのだろう?
藍沢がエレベーターに乗り込むと後から白石が乗ってきた。
白石
白石
どうして救命に戻ったの?トロント大に行きたかったんじゃ?
藍沢
藍沢
行くよ。新海に勝って
白石
白石
……?
藍沢
藍沢
脳外の夏は患者が減る。救命にいれば頭の患者は独り占めだ。症例を増やしてアピールできる。いいことだらけだ
白石
白石
……藍沢先生らしい
藍沢
藍沢
それに……救命にはお前がいる
白石
白石
えっ?
藍沢
藍沢
お前は面白い
白石
白石
……?
『黒田先生の救命をこえる救命をつくる。絶対やる!私たちで!!』