第4話

カレーライスとスプーン
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2017/11/01 09:28
誘拐犯
そうだあなた、お腹すいたよね。ご飯作ってくるから少し待ってて
あなた

え?・・・あ、はい・・・

言われてから、お腹がすいていたことに気がついた。
誘拐されたのが〇月✕日だから・・・もう2日もご飯を食べてない!
っていうか、ご飯手作りかぁー。
誘拐犯
嫌いなものとかある?
あなた

あ、えっと・・・ない、です

誘拐犯
じゃあカレーでいい?
あなた

はい。

返事をすると、彼はすぐにカレーを作り始めた。




グツグツ、グツグツ・・・




いい香りが部屋中に漂ってきた。


誘拐犯
はい、出来たよ。俺一人暮らしだからさ、スプーン一つしかないけど
そう言って彼はハハハッと笑った。

さっきまでは怖いとしか思えなかったけど、こうして見てみるとすごくふんわりとした笑顔だ。

(なんか、意外といい人だな〜。なんかかわいい!)
誘拐犯
はい、あーん
あなた

へ?

誘拐犯
あーいや、手はガムテで拘束してるからさ、ほら、あーん
言われるがまま、口を開けた。
誘拐犯
美味しい?
そう言って笑う彼は、今まで見たどんな人より輝いて見えた。

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