ピピピッピピピッ… カチャン
少し開いたカーテンからは気持ちの良い春の
日差しが入ってくる。
まだ少し肌寒いのか、なかなか布団から出られない私。
今日もいつも通りの声が聞こえてくる。
その声は次第に大きくなっていき、階段を上る足音も聞こえる。
ガチャ…
そして、自室の扉が開かれる。
私はガバッとめくられた布団を必死に取り返そうともがく。
だけど奪い返せず、渋々ベットから起き上がる
確かにこのままゆっくりしていては、遅刻間違いなし。
時計を見てそう思った。
私は彼の存在なんて気にせず慌ててパジャマを脱ぐ。
すると…
彼は顔を真っ赤にさせ、部屋から出ていく。
今までは、そんなことがあっても別に何とも無かったのに…
私は首を傾げながら、再び慌てて支度を進める
ここら辺でも可愛くて有名な制服を着る。
水色のブラウスにチェックのスカート。
クリーム色のベストに水色のリボン。
そして、全身鏡の前に立つ。
私は自室の扉を開け、足を進めた。
私はリビングで仲良くお母さんと話をしてる
幼馴染の七瀬 夏くんに声をかける。
すると予想通り夏くんは、私に眩しい笑顔で
そう言うのです。
もー。可愛さ倍増ですね!
彼、七瀬 夏くんは 私とは世にいう"幼馴染"。
ハッキリとは覚えてないけど、幼稚園の年中さんからずっと一緒に居る。
家が近いことや、名前がどことなく似ていることから私は興味を持つようになった。
私は小学校に上がるまでずっと夏くんのことを
女の子と思ってたのだ。
白い肌にクリッとした大きな瞳。
茶色いフワフワの髪の毛は少し長めだった。
何にせよ可愛いかったのだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。