
第8話
モヤモヤが収まらない
ピーーーーーーーッ
そんな音で部員はベンチへと戻る。
どうやら休憩のようだ。
夏くんは…
そう言い、マネージャーの夏美さんは
夏くんにドリンクを渡す。
何人かマネージャーさんは居るみたいだけど
夏美さんはずっと夏くんに付きっきり。
何だかモヤモヤする…
それに夏くんは優しいから…
いつもの笑顔で対応してる。
どうしよう…
泣きそう。
夏くんに恋して私が私じゃないみたい。
今まで何ともなかったことが今ではすごく
モヤモヤする。
その笑顔だって私にだけ向けてほしい。
そんな願いなんて叶うわけないのに…
私はギャラリーの席を立ち上がり外に出る。
あそこでずっと居たら心が壊れそうでこわかった。
今日はもう帰ろう…
そう思い教室へ向かおうとする。
近くの水道であの日ぶつかった彼が顔を洗ってた。
お礼を言うのなら今がチャンスだよね。
私は彼の方へと足を進める
私は少し遠慮気味にそう言う。
すると彼は私の言葉なんて無視で、タオルで顔を拭いてる。
あ。この人が無口で冷たい人ってこと忘れてた…
それ以上のことなんて望まずここは下がった方がいいよね…?
そう言い残しその場を去ろうとすると…
きっと彼の言ってるアイツとは夏くんのこと。
やっぱり、あれだけガン見してたらばれるよね?
ってあれ?
なんで私が来てるって…
そっか…
モヤモヤしたからなんて、言えない。
そんなのじゃヤキモチ妬いてるみたいじゃん。
そっちから聞いてきたはずなのに
さも興味が無さそうにそう言う彼。
んー。なんか気に食わないな…
だけどそんなこと言えるはずもない。
私は今度こそ教室に戻った。
そしてため息を吐き、椅子に座る。
目を瞑るとまぶたの裏に浮かぶのは夏美さんと夏くんのあの、楽しそうな笑顔。
やっぱりずっと幼馴染という関係で生きてきた
私達には無理なのかな。
それに夏くんは私のこと恋愛目線で見てないようだし。。
私の声は誰にも拾われることなく、ただ虚しく消えた。
7人のユーザーが応援しています
作者を応援しましょう
シェア&お気に入りしよう!
この作品をお気に入りに追加して、更新通知を受け取ろう!