第20話

母親の強さ
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2017/10/09 22:23
やっと俺自信も落ち着いてきた。

俺はスマホを取り出して 春のお母さんに電話をかける。


春母「あらー!夏くん!デートは楽しんでる?」


現実を知らない春のお母さんは俺にそんなことを聞いてくる。

言いたくない。

春が、今、病院で手術を受けている。なんて言いたくない。


元気でいつも笑顔が、絶えなかった春のお母さんの悲しむ顔なんて見たくなかったから。
夏
春が…車に轢かれて……
今、病院で手術を受けてます
俺がそう言うと、春のお母さんは何も言わなくなる。


春母「ど…どこの病院…?」


いきなりで、びっくりしてるのかしていないのか。

春のお母さんは病院の場所を聞いてくる。

夏
〇〇病院です
俺が静かにそう告げると分かったわと言い、
電話を切る。


その後、俺の母さんにも電話を入れ、暫くすると 春のお母さんと一緒に病院へ来た。


俺の母さんと春のお母さんは、幼馴染。

だから昔も今も仲は凄くいい。



よく、会ったら朝から夕方まで語りっぱなしの時もあったほどだ。


春のお母さんが俺に歩み寄る。

絶対に怒られると思った。


だって俺が春をこんな風にあわせたのも同然だから。


俺はずっと1人で抱え込んでいた。

もしあの時、俺がトイレへ行かなかったら。

プラネタリウムになんて誘わなかったら。


どんどん押し寄せてくる後悔が俺の心を飲み込もうとする。


春母「ごめんね…怖い思いさせちゃって。」


だけど、春のお母さんの口から出たのは思ってもいなかった言葉だった。


春母「私、諦めないわよ。だってあの子は強いから…」


俺は、無理して笑う春のお母さんの言葉とは裏腹に、震える体を見逃さなかった。


だけど、母親の強さを感じされられた。


夏母「花…」


花とは春のお母さんの名前。

俺の母さんが春のお母さんの背中をさする。



頼む…春。

戻ってきてくれ。


春の帰りを待ってる人がここにいる。



俺は、神様にお願いした。

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