次の日、私は夏くんと校門の前に立っている。
目の前には私が以前まで通っていたらしい学校。
私がそう言葉を漏らすと
夏くんが優しくそう言う。
そんな夏くんの優しい温かい笑顔に胸が少し
高鳴った。
夏くんって本当爽やかだな…
春の日差しみたい。
すると、後ろから私に抱きついてくる彩月ちゃん。
この子も毎日病院に通ってくれて、沢山話をした。
以前の関係や、オシャレなお店の話など
すごく気が合って 今では仲良し!
彩月ちゃんは、目を細めながら懐かしそうに呟く。
それで、私は毎日夏くんと一緒に登校してたんだ!と知る。
これからも夏くんと登校しよーっと
そして、私達は教室へたどり着く。
そう言って夏くんは、自分のクラスへ行ってしまう。
夏くんの後ろ姿を見て、寂しいと思う。
もっと夏くんと一緒に居たいって…
これは、わがままなのかな?
彩月ちゃんに、行こうかと言われて教室の扉を開く。
するとクラスの子は一斉に私達を見る。
す、すごい緊張する…
だけど…
クラスメート「「退院おめでとう!」」
そう、言われて クラッカーが鳴る。
私は驚きで目を点にする。
クラスメート「「春が居ないとやっぱりつまんないよ!」」
皆の言葉に私は潤む。
クラスの子は私が記憶を無くして、皆のことを覚えていないって知ってるのに…
どうしてこんなに良くしてくれるの?
クラスメート「記憶をなくしても春は春でしょ?また1から思い出作ってこ!」
そんな言葉に私の目からは涙が落ちる。
すっごく温かいクラスだな…
私は…友達に恵まれてる。
そう思った。
こらから皆と作る思い出。
いいものになるといいな!
私はそんなことを思った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。