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第1話

目覚めたら
7,520
2017/10/06 16:08
目が覚めると、見知らぬ部屋にいた。
体は椅子に固定されていて、手足が動かない状態・・・・明らかにおかしい状況だった。
レオン
レオン
どこだ、ここ・・・
目の前には大きな丸いテーブルがあって、俺以外にも同じ状態らしき人が何人もいた。まぁ、ここにいる全員、同じ高校の卒業生なんだけど・・・・。
ツキ
ツキ
てめぇも起きやがったか
できれば一番聞きたくなかった、俺の苦手な声が部屋に響いた。
声の主《ツキ》は、見るからにいらいらしていた。まぁ自由を奪われている、この状況だからだろうけど。
シン
シン
こらツキ、声を荒らげるな
ミチ
ミチ
シンの言う通り!お前の声大きすぎて、リョウとソラが起きる!
一切表情が乱さない《シン》は、一言で表すなら『天才』だ。
そしてもう一人の《ミチ》は、俺とは中学からの付き合いで、その時から運動なら何でもできた、まさに『運動バカ』だ。
ツキ
ツキ
うっせぇぞ!ガリ勉野郎と脳筋野郎が!
シン
シン
っ・・・!
ミチ
ミチ
ツキ!俺はガリ勉じゃない!
ツキ
ツキ
ボケが!てめぇが脳筋野郎だ!
とまぁ、こんな感じのこのメンバー。
こんな会話、高校時代なんてしょっちゅうだったから、俺はもう慣れてしまっている。
ミチ
ミチ
でもさ、今思えばここにβいないんだね
確かにそうだ・・・。
ツキ,ミチ,今寝ているリョウはαで、残り3人はΩ。バランスがよすぎるし、高校が同じでよく一緒にいたメンバーも怪しい。
ツキ
ツキ
あぁん?確かにそうだけど──
シン
シン
これは誰かが意図的に集めた、というわけだな
言葉をさえぎったシンに向け、ツキは舌打ちをした。さすが元ヤン。睨んだ顔と舌打ちの迫力は、並大抵のやつとは全く違う。少し怖い・・・・。
ミチ
ミチ
にしても、αが4のΩが2ってのもどうなんだろう

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