第6話

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2017/10/08 08:30
俺と話したいから?どうしてだ?
シンは俺とそこまで仲がいい訳ではなかった。高校でも、友ではあったが、親友という訳でもない。
レオン
レオン
なんで俺と話したいんだ?
シン
シン
なぜって、Ωだけになった方が、お前にも都合がいいだろ?
シンは歩む足を止め、俺の方を向いて言った。
シン
シン
最初にΩとαが1:2の割合だったのは同じ属で子を作るためだと思ったが、ユウキ先生の言う1:1で、番になって子を作ることだとわかった。その方が子を宿しやすいからな。それに、お前はαとΩの話になる時の顔色が悪かった。隠していたからだろ?自分が──
レオン
レオン
やめろ
シンの説明は、大当たりだ。なのに、俺は自然と口から制す言葉を発していた。
シン
シン
認めるか?
俺は少し、シンが怖かった。それでも、認めざるを得ない。
バレてしまったのだから。
レオン
レオン
あぁ・・・認めるよ
シン
シン
・・・ならいいよ
レオン
レオン
・・・へ?
変な声が出た。というか、あっさりとした終わり方に、頭の中は『?』でいっぱいだった。
ソラ
ソラ
そっかぁ。レオちゃんはΩかぁ
レオン
レオン
え、うん・・・
ずっと隠していたから雰囲気がやばくなる気がしたのに、いつものような雰囲気が逆に違和感を感じさせた。
今の状況に驚いている間に、2人は廊下を進んでいた。俺は2人を早足で追いかけた。
シン
シン
しかし、番を誰にするかだなぁ・・・
ソラ
ソラ
だねー
2人はもう番モードに入っていた。
レオン
レオン
でもさ、これって子供作らなくてもいいんじゃないの?
ほとぼりが冷めるまで待って、ずっと何もしないで待つのもいいと思うんだけど──
ソラ
ソラ
いや、ダメでしょ
レオン
レオン
えっ?
シン
シン
子供を作らせるのが目的なのに、国が俺たちを出してくれると思うか?
レオン
レオン
そんな・・・
口からはため息しか出てこなかった。
出来れば友達のままがよかった人が、自分の番になるなんて、考えたくなかった。

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