第9話

私物
4,648
2017/10/08 11:14
ツキ
ツキ
なぁお前
レオン
レオン
え、俺?
思わず聞いてしまった・・・・。
「レオン以外誰がいる」と言われてしまった。まぁ、そうなるだろうな・・・・。
レオン
レオン
わりぃ・・・
ツキ
ツキ
まぁいいんだけどな。てか、お前Ωなんだろ?
レオン
レオン
えっ・・・
ツキ
ツキ
やっぱりか
シンから聞いたのか?それともソラ?にしても、いつ聞いた?
それよりも、今は否定しないと──
ツキ
ツキ
誰からも聞いちゃいねぇよ
レオン
レオン
え、そうなのか?
ツキ
ツキ
否定しないのな
やってしまった・・・・。
ツキはニヤリと笑うと、廊下の先の方へ視線を戻した。
ツキ
ツキ
匂いだよ。αの匂いがしないもんでな、前から疑ってはいたぞ
レオン
レオン
まじか・・・
リョウとミチも知っていると聞き、俺はため息しか出てこなかった。穴があったら入りたい・・・・。
左に曲がる道に沿って歩くと、目的の部屋が見えた。ここの廊下は四角い形で繋がっているのか?
レオン
レオン
幕の間が服で、天の間がスマホだったか?
ツキ
ツキ
あぁ。服取ってきてやるから、スマホ取ってきてくれ
レオン
レオン
わかった
戸を開けると、中からはシンが出てくるところだった。手には2つのスマホがあった。
シン
シン
お前も来たのか
レオン
レオン
シンは誰のを持っていくんだ?
シン
シン
リョウのスマホだ。どうせ寝ていて来ないだろうからな
レオン
レオン
なら俺が持っていく。部屋隣だし
シン
シン
そうか
シンは頼むとだけ言い、俺にスマホを渡し、天の間を出ていった。
部屋の中には大きなテーブルがひとつあり、4つのスマホが並べられていた。スマホのそばには名前の書かれたカードがあった。
レオン
レオン
これは助かるな
俺は『ツキ』と『レオン』の名が書かれたカードのスマホを持って、部屋を出た。
出たところには、服を入れた袋を持ったツキが、機嫌悪そうに待っていた。
ツキ
ツキ
なげぇよ
レオン
レオン
わ、悪い
俺たちはスマホと服を交換し、部屋へ戻った。

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