屋上に移動した私達は、しばらくそこにいることにした。
すると、乃亜は昨日の出来事を話してくれた。
─回想─
ここに引っ越してきたばかりなので、荷物整理をしようということになった。
そして、しばらくした後、彩芽が─
酷く怯えた様子で急に謝り出した。
彩芽が落としたものを見ると…
──お母さんの、ものだった。
取り敢えず、彩芽をなだめることにした。
次の瞬間、彩芽がぐらりとゆれ、倒れた。
急いで救急車を呼んだ。
体に異常はないらしいが、精神的ダメージを受けているため、カウンセリングを受けてくれ、と言われた。
月に1回は、必ず行っていたけど、行く回数を増やさなきゃな…
次の日には、彩芽は笑っていた。
だけど、無理していたのが、私には分かった。
……あんな辛そうな顔、見たくない。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。