彩芽のトラウマを、昨日の荷物整理で思い出しちゃったってことだよね…
私は駆け出していた。
乃亜の声も聞こえないぐらい、必死に走った。
彩芽のもとへ──
そして、みつけた。
彩芽が振り返る。
その途端、ぎゅっと、彩芽を抱きしめる。
強く、強く抱きしめる。
そしてまた、ぎゅっと、彩芽を抱きしめる。
今度は優しく。
彩芽は、少しびっくりして、目を見開いた。
でも、少しして、にへら、と不器用な笑顔で笑った。
それから、乃亜も来て、乃亜も彩芽に抱きついた。
笑いながら、泣きながら、それでも優しい顔で、乃亜を抱き締め返している。
……私は泣いてないぞ、これは目薬で...(((
ちょっとうるっとかしてないから、うん((急なツンデレ))
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それから、二人は、笑顔で、幸せに暮らした。
私は、これからも、この二人の笑顔を見ていたい、と願う。
─END─
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。