お昼を一緒に食べたあの日以来、私はおかしくなってしまった。
自分のクラスで授業を受けているときも、黒尾先輩のクラスは何の授業をしているのか、とか
休み時間になったら、自分の用事や先生の頼まれ事とかで1年生のフロアに来ていないのか、とか
黒尾先輩のことを考えてしまうようになった。
何より
「美雨かっわい~~♡♡」
ギュッ
「わ、ちょっ…彩羽……!」
髪型さえも気にするようになった。
そして
「ゆるふわのポニテっていーよねっっ
the美女(∩˘ω˘∩ )♡♡♡」
「み、短くない……?」
校則に反さない程度に制服を着崩す。
「だぁーいじょーぶ!
もっと短い子なんていくらでもいるんだからぁ!」
例え会う約束がなくとも、廊下などでばったり会っても大丈夫なように身なりだけは整えておく
って……!
「何してるの私……!」
黒尾先輩がいようがいまいが関係ないのに、馬鹿みたい……!
「ナシナシ。私には似合わないんだし、慣れないことはしないほうが「……みう?」
く、黒尾先輩……?!なんで………!
「…」
似合わなすぎて無言になってる……そりゃ引くよね……
ていうか逆に意識しすぎって思われた……?!
「あ…の!つ次、移移動教室なのでサヨナラ……!」
「黒尾せんぱーい? フリーズしてます?(笑)」
「っ、あんなのずるすぎるだろ……。///」
「本人に言ってあげてくださいっ!」
「クロ、そういうとこヘタ「研磨ぁ♡♡」
ちょ、いろは苦し…。」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!