前の話
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_君の事が好きでした。
昨夜の出来事だった。そうとは思えないけど。
"如月 ひかり"はいつも通り部屋でゲームしてる。
_通知のランプが優しく点滅する。
ゲームを中断しチャットを開く_やっぱり彼だ。
最近は毎晩彼とチャットで話すのが楽しみだった。
それだけ楽しかったんだ。気持ちが和らぐんだ。
普段の学校生活の事を話したり恋話を話したり...。
同じクラスだと言うのに毎晩盛り上がっていた。
彼_"成瀬 直哉"とは初めて同じクラスになった。
最近は席も近く,良く話す仲だった。
運動会では組体操で同じグループのメンバーだ。
運動会に向けての練習が毎日あり,クタクタだった。
そんな疲れを癒してくれる存在でもあったのだ。
ある朝,学校に着き,いつも通りの1日が始まる。
今日最後の授業が運動会練習だった。
魂が抜ける程の強い日差し。
そんな炎天下で裸足になって練習を始める。
_もちろんクタクタ。
今日はさっさと帰ろう。それが良い。と自問自答。
だけど話が盛り上がっちゃって最終下校時刻過ぎ。
先生は皆会議で誰も居ない教室で遊んでいた。
いい加減帰れと先生が来たもので慌てて帰った。
今日の宿題は学校で終わらせ,暇だった。
やることを済ませ,いつも通り寝床につく。
そしていつも通りゲームを開きチャットを開く。
_話があるから21:00に待ってて。
直哉君...いや,直君からのメッセージだった。
『...何かしたかな?』少し不安な自分がいた。
そういえば直君と一度も話していない事に気付く。
『...嫌..われ...た?』さらに不安になる。
_21:00.
なんやかんや考えていたらあっという間に時間だ。
直君もピッタリこの時間に来てくれた。
通知のランプが点滅しると心拍数が一気に上がる。
「ごめん。」 いきなりの言葉に焦る。
『え、何が?💦』
「あ、遅れたかな?って思って」
『なんだよ(笑)大丈夫だって。』
「そう?ならよかった(о´∀`о)」
(『なんだこの会話?』)なんて思ったりもした。
「本題の話なんだが...」 緊張が走る。
『あ~、そうだ。どしたの?』えげつない。
「あのさ、」
『ん?』
_少し間が空いて
「ひかりって好きな人いる?」..いきなりだった。
付き合った経験はあるけどそこまで皆が憧れる
ような感じじゃなかったし,好きな人なんて...。
『今のところいない..かな』..答えだろうか。
「そっか。」
『直君は?いるの?』
「俺はいるよ」
『え?!誰?』
「言わねーよ(笑)」
『え、教えてよ』
「やだよ~」
そんな会話をしてる内,もう23時だ。
「明日早いし寝ようか?」
『そうだね、おやすみ!』
「お休み~」
_そして今日が終わった。
_『え。それだけ?!』疑問しか浮かばない。
明日からの接し方が、よく分からない。
話し掛けて良いのかも分からなくなってきた。
取り敢えず寝よう。それがいい。明日考えよう...
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。