第8話

ユメオニゴッコ
333
2017/10/18 08:40
「俺だって知らねぇよ!!」
葉悠が顔を赤くしながら怒鳴った。
手は、ふるふると小刻みに揺れている。
「おい、やめろって…」
泰成が止めに入った。
「やめろ!触んな!ほっといてくれ!」
そう言うと、葉悠は5人に背を向けてスタスタと歩いていった。
「葉悠────」
「ほっとけって、しばらくしたら戻ってくる。」
「────うん…」
────────────
里緒達は、屋上に集まった。
それは、作戦会議をするためだ。
「ね、ねぇ。昨日が今日ってコトは、また夢鬼ごっこやるんだよね?」
優菜が不安そうに言った。
「その時は俺が守ってやるって!心配すんな!」
泰成が優菜の背中をぽんっと軽くたたいた。
「…たい…せい…♡」
「ハイハイ、イチャイチャしないで、夢鬼ごっこの作戦立てるよ。」
美由がパンパンっと、2回手を叩いた。
「てか、そもそも夢鬼ごっこってどうやったら終わるの?もし、今日も夢鬼ごっこがあったらの話だけどね。」
「さぁ?それは葉悠に聞かないとね。まぁ、あの様子だと、当分あのまんまだよ。」
優菜がはぁ。とため息をついた。
「でも、夢鬼ごっこの中にヒントがあるんじゃないのか?夢鬼ごっこを終わりにするヒントが…」
蒼空が言った。
「あっ!でも、その前にネットで検索したらいいんじゃないかな!?」
里緒が蒼空に提案した。すると、蒼空がすぐに、夢鬼ごっこについて検索した。
「あっ、あった。なんか、夢鬼ごっこをやめるには、夢鬼ごっこをする時に破った人の形をした真っ白の紙を全て見つける。
ちなみに、その紙は人数分に破られてるらしいよ。」
「え、そんな紙知らないんだけど…」
「私も〜」
「俺も」
口々にみんなが言った。
「てか、その紙がないと夢鬼ごっこ出来ないんだよね?
なのに、なんで夢鬼ごっこが出来てるの?」
「それは────」
みんながゴクッと唾を飲み込んだ。
────────────
ピッピッピッピッ
「舞音…」
ポタッ
床に水が落ちた。

プリ小説オーディオドラマ