第4話

ほんとの理由
70
2017/10/19 10:59
つばさ 「このッ!」

私は拳をあげた。
でも、それは誰かの手に包まれた…

つばさ 「あ...おと?」

蒼音は私の手をつつみながら静かにその手を降ろした。

蒼音 「つばさ。2人で話したい...」

蒼音は静かに怒っていた。

つばさ 「うん...」

私達は誰もいない屋上へ向かった。
そして少しの間沈黙が続いた。

蒼音 「ねぇ。つばさ。」
つばさ 「なに...?」
蒼音 「どうして手をあげようとしたの…?」
つばさ 「...」
蒼音 「ちゃんと答えて。」

私は泣きそうになりながら手を上げようとした理由を
話した。

つばさ 「だって、あいつが私のする恋は全部嘘だって。
全部遊びだって、言ったから。それで...」
蒼音 「うん...」

蒼音は静かに聞いてくれた

つばさ 「たしかに今まで付き合った人たちはみんな遊び
だったけど、今私がしてる恋はほんとの恋だから...」
蒼音 「それでイラッときちゃったんだね」

コクっ
私は正直に頷いた

蒼音 「じゃあ、そのほんとの恋をしてる相手って誰?」
つばさ 「えっ?!それは...」
蒼音 「それは?」
つばさ 「言えないよ…」
蒼音 「どうして?」
つばさ 「だって言ったって何にもなんないし、その人だっ
て私のことどー思ってるか分かんないもん」
蒼音 「じゃあ、ヒントちょーだい!当ててあげる^^*」

ニコニコと笑うその顔はまるで好きな女の子をからかって
いる子どもみたい

つばさ 「ヒントは、私の1番近くにいる人。」
蒼音 「1番近く?」

プリ小説オーディオドラマ