9月の学校行事といったら文化祭だ。
だが、我がクラスは全く出し物が決まっていない…。
ぶっちゃけ私は全くもって興味がない。
普通こういう行事って楽しみの一環なのかな?
ましてや、私みたいな寿命が決まっている人なんか特に…。
1日1日を大切にしているんじゃないかな、私以上に。
そう思ってぼーっとしていると実行委員が遥に話しかけてきた。
頑張って答えを出そうとしているのか必死に考えている遥。
…あいつ絶対遥のこと気になっているだろ。
そう言いながら私の事をちらちら見てくる。
イライラしている私に気づいていないのか、遥が平然と私の肩をつっついてきた。
とりあえず今思いついた言葉を言ってみる。
幸いまだ黒板に出てきていなかった出し物だったので少し安心した、が。
やはり実行委員のあの人にはどうしても苛立ちを隠せなかった。
結局遥の意見は採用されたが、何故かそれにアレンジが加えられ“メイド・執事喫茶”になった。
そんな雑談を遥と交わしていると、誰かから話をさえぎられた。
さっきの実行委員の女だ。
まぁ、なんで呼んだか大体は分かっているけど。
ここはあえて相手の話に乗ることにした。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。