第18話
16話
私は実行委員の女に誘導されて人気がない場所に連れていかれた。
するとそこには沢山のクラスの女子達が待ち構えていた。
まぁ、そうだろうと思ったよ。
遥本人は気づいていないかもしれないけど、遥のファンの子はおよそクラスの大半を締めているのだ。
そう言われた方向を見ると、私にめがけて刃物を振りかけて来るクラスメイトが視界に入った。
必死に避けようとしたが、すぐ目の前に迫ってきていて…間に合わない。
刃物が来る前に目をつぶった瞬間、刃物が落ちる音がした。
恐る恐る目を開けてみる。
目を開けてみると、誰かが私の目の前に立っていた。
視界がボヤけてあまり見えない。
頭上から聞こえてくる優しいけど怒りを含んでいる声。
その声は紛れもなく…遥の声だった。
遥の手を見ると____
右手が血だらけだった。
多分あの刃物が私に刺さる前に右手で止めたんだろう。
何も言えずに黙り込んでしまった。
まぁ、本当のことだしね。
そう言い左手で頭を撫でる遥。
ただの幼馴染のためにここまでしてくれる人なんてそうそういないだろう。