懐かしい、夢を見た。
小さい頃に遥と花火をした時の、思い出。
あ、そっか。
私の手術は長時間の手術だもんね。
寝てしまうのも仕方がない。
また、あの大きな打ち上げ花火を一緒に見るんだ。
たった今そう心に誓ったのに遥は何故か首を横に振る。
そう言った遥は、人差し指を唇にあてた。
遥はどんどん遠いい場所に向かって歩いて行ってしまう。
必死に走って追いかけても追いつかない。
これは、夢だから?
遠くに行ったはずの遥が目の前に立ってる。
そう言い遥は、目の前で泣いている私に口付けをした。
私は遥と指切りを交わした。
すると遥の体が次第に消えていく。
遥が最後に残した言葉を私は聞きとる事ができなかった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。