第32話

29話
173
2017/10/16 13:43
あなた

…っ。







なんて酷い夢を見たんだろう。








とても残酷で…とても苦しかった。





岩田先生
あなた…!
目が覚めたか、良かった…。
あなた

え…?







遥がいない…?





医者
目覚めたようだね。
体に不具合とか、ないかな…痛む場所は?







医師にそんなこと言われたがそんなことはどうでも良かった。







あなた

先生…遥、遥は…?

岩田先生
……。
医者
……。






何故か黙り込む2人。









ねぇ、お願いだから…あの夢が現実にならないで。






あなた

遥は!?
私…遥と夢で約束したんだよ、手術を成功させて……また、一緒に学校に登校するって!

岩田先生
夢であいつと…?







周りの雰囲気がおかしい。













すると、医師が思い口を開け…見事私が想像している悪い予想を…的中させた。





















医者
君に心臓を移植してくれた人は…君の付き添いのあの子なんだ。
あなた

嘘…。








その言葉で全ての力が抜けた。










































遥の心臓を私に移植をしたの…?














































嘘だ嘘だ嘘だ。









あなた

嘘だ…だって、遥は……言ってなかったもん。
冗談だよね…?

医者
…残念ながら本当の話だ。
すまんが…あれを。






医者が看護師に何かをお願いした。









すると、看護師が一つの薄っぺらい紙を持ち出してきた。






医者
…これは、心臓の移植を許可することに承諾したあの子がサインをしたんだよ。









よく見るとサインの所に『如月 遥』の文字が書いてある。









あなた

なんで…?







私の目からは沢山の涙が溢れ出てきて止まらない…いや、止められない。











すると、岩田先生が何かを私に差し出してきた。
















岩田先生
これ、如月から預かったやつだ。




















受け取ると、それは私向けに書かれていた遥からの手紙だった。

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