俺の名前は杉乃井拓磨(すぎのいたくま)。
俺は幼い頃、青森県の山奥の田舎で育った。
田舎だったこともあって、地域の人は進学や結婚と同時に出ていってしまい、過疎化していた。そのため、幼稚園も小学校も生徒は少なく遊びも限られたものしか出来なかった。
しかし俺が8歳になった頃、青森県から神奈川県へと引っ越すことになった。これは、親から聞いた話なのだが、その頃俺には好きな子がいたらしい。
そのため引っ越しの際にはかなり駄々をこね、神奈川へ連れて行くのに相当手間取ったそうだ。
その頃のことは、正直あまり覚えていない。けれど、その時好きだった子が恐らく近所に住んでいた来宮久遠(きのみやくおん)という女の子だったことは、ほぼ間違いないと思う。
神奈川県に越してきて一時は、怒って口も聞かなかったらしいが、段々地域の子どもたちの輪に馴染み始めてからは、青森へ戻りたいと言うことも減っていったそうだ。
そうして月日が経つにつれて、恐らく幼馴染の久遠に対する想いも薄れていったのだろう。
俺は中学に入ってすぐ彼女が出来た。
初めての彼女だ。
中学に入ってすぐ、俺はバスケ部に入部した。
その時一緒にマネージャーとして入部してきた子が、後に俺の初めての彼女になった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。