第2話

馴染み
27
2017/10/07 04:12
私とあいつは幼馴染ではあるけれど、世でいう、幼馴染、つまりお互いの家に遊びに行ったりしょっちゅう喧嘩したり、恋人になったり、ラブコメチックなものではない。

そもそも幼馴染=ラブコメというイメージを持たれる事に疑問を抱く。私は。

いや、まぁ現に私は幼馴染のあいつに恋をしているのだけれど。

とにかく、幼馴染だからといってなにかある訳でもなくて、ただ幼馴染というだけで、それ以下でもそれ以上でもない。

私はそれでもいいと思っていた。
このまま平穏に学校生活を終えるはずだった。

けれど、人生そう簡単じゃない。
なにかの巡り合わせか、神様の気まぐれか、別に何でもいいけど。
とにかくある日突然、私の平穏な学校生活は終止符を打つ。




朝、いつもと変わらない朝
交差する視線、人、雑踏
冷えたコンクリートをローファーで蹴っ飛ばして大音量で聞く邦ロック。
バスが発車する。
今日の平穏をまた願いながら、ただ、運ばれていく。

私の平穏が変わるのは、太陽がもう少し昇ってから。

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