無料スマホ夢小説ならプリ小説 byGMO

9
2017/10/07

第5話

混乱
時間は瞬く間に流れ、授業が終わり、また、あいつと話せないまま放課後になってしまった。

ホームルームが終わるとすぐに家に帰ってしまうあいつを、私は目で追いため息をついた。

放課後の予定は、【元好きな人】に会うこと以外ない。

約束をさっさと終わらせて帰ってしまおうと思ったが、肝心の【元好きな人】が見つからない。

苛立ちながら構内を探し、図書室にたどり着くと、そこに【元好きな人】は居た。

図書室奥の窓側の席で、何をするでもなくただ1人ぼんやりと座っている。

窓から差す夕日が、彼の目の中で揺れていた。

私はもしかして彼が泣いているのかと思い、一瞬どきりとした。

「探したんだけど」

「悪い悪い」

「で、私になんか用でも?」

「そう。」

「なに?」


【元好きな人】が私の目をまた見つめる。
野球部の練習する声、吹奏楽部の奏でる音楽
その全てが、何故かやけに煩くて

図書室に舞っていた埃が夕日に反射しキラキラ輝く。

その向こうで【元好きな人】は私を見据えて、小さく息を吸う。

なぜか、一瞬あいつの顔が頭をよぎった。


「俺、お前の事が好きなんだけど」

「…え」

時が止まった

ように感じたのは、私だけかもしれない

夕日が私の顔にかかる

頭の中が、全てぐちゃぐちゃに掻き回されたように混乱して、冷や汗が吹き出る。

この【元好きな人】に、この目の前にいる【元好きな人】に、私は

何を言うべきなのだろう。