無料ケータイ小説ならプリ小説 byGMO

第35話

-      💓      - 🌊





耳を澄ませば、聞こえてくる夏の音。
蒼く美しい色に目を見張る。

遠くから自分を呼ぶ声。

辺りを見回す。

日に焼けている砂浜。
肌に染みる潮風。
手を伸ばせば届きそうな青空。

嗚呼、夏だ。

太陽に手をかざしてみる。
指を広げると、
思わず目をつぶってしまうような眩しさ。

息を大きく吸い、ゆっくりと吐く。
満足した。

後ろを振り返り走れば、
お待たせと声をかける。

片手にビニール袋を持っている。
気になって中身を聞くと、
お楽しみなんだとか。

2人で暑いと言い合いながら、駅に向かう。

いつもと違う雰囲気に
1人心躍る。

駅についてから、
電車内の人の少なさに驚く。

こんなに広いのに、
こんなに暑いのに、
2人寄り添って座る。

夏は、ゆっくりと動き出し
だんだんと加速していく。

過ぎ去っていく風景に目を惹かれる。

夏の終わりを垣間見た。

寂しいという感情は
まさしくこれなのだと思う。

隣を見れば、うたた寝をしているようだ。
自分も目を瞑る。

まだ、夏の音は聞こえる。

蒼い、蒼い夏。
広い、広い夏。

揺らめいて、煌めいている。

ふと目を開けた。
もう少しで降りないと。

隣を起こす。

1歩踏み出せば、
夏が終わってしまうような気がした。



夏に別れを告げ、電車から降りる。

長い道のりに、また暑いと言い合う。

家につけば、
アイスが溶けたと
ビニール袋の中身を覗いていた。

夏が恋しくなる。

まだ夏だよ
と言われたが、首を振る。

風鈴の涼しげな音は、全く効かず
冷房を入れた。

夏が消える。

スイカを切るのが面倒くさい。
食べるのをやめた。

空には入道雲が見える。
目だけで感じる夏は微妙だ。

窓の前に座って
窓を開けた。

冷房を付けたまま窓を開けるのは
意味がわからない
と言われ窓を閉じられた。

なぜか上から手を握られる。

なに、と聞けば
なんでもない、と答える。

手の温もりは、
夏のように、自分を包み込むようだった。

このまま身をあずけ、
夏を感じるのもいいかもしれない。

そっと手を握り返し、
愛してると呟く。

幸せそうに、
俺も、なんて言ってくるから
なんだかくすぐったい。

この許されない恋を、夏は許してくれますか。



END.

シェア&お気に入りしよう!

この作品をお気に入りに追加して、更新通知を受け取ろう!

カミネ
カミネ
2019/3/5 ⏩ 更新 クラスのカップルがお熱いので!!!! テオじん冷め気味御免!!!! 私がフォローした人の作品のお気に入り全部外しました~お気に入り外してもたまに見に行きますのでご安心を~ 🐴 自己紹介 🐰 ・4月から高校受験生 ・多忙(でもない) 🐴 好き 🐰 【CP】 <スカイピース> ・🐴→🐰 ・🐴×🐰 ・🐰×🐴 <進撃の巨人> ・エレリ ・エルリ ・ジャンエレ(リバ可) <おっさんずラブ>(now推しカプ) ・牧春(リバ可) 【ストーリー】 ・片思い ・バドエン ・暗め ・歌詞小説"風" 《リアルな話は好き》 【性癖(フェチ)】(*ˊᵕˋ*)<暴露しちゃうゾ ・小スカ ・射○管理 ・玩具 ・抜き合い ・骨フェチ(主に手.足首) ・ショタ(小声) ・靴下の長さにこだわりある((キモイ ・受けにはナース服着させたい 🐴 注意 🐰 ・🐢更新&低浮上 ・マニアック性癖 ・自称バドエン勢 ・コメント長文民 ・ただの変態 ・ビックリマーク(!!!)の人 ・クラスの男子にバニーガール着せたりしたい系中学生 ・心臓がズタズタに引き裂かれた気分。 血が滲み出るかのように、この気持ちは汚く綺麗である。鮮やかな赤に1人、目を閉じて横たわる。 声にも嗚咽にもならなかったものが喉から這い出てきた。 頭の中では理解しているつもりなのに、この眼に映っている事実に体を縛り付けられている。 最後まで輝いていたであろう魂は、いつか忘れ去られてそこには何も残らなくなる。虚無。なんと残酷な。私は変わってしまった。汚く、綺麗になってしまった。 もう楽になりたいと心底思っているのに、まだもがき続けるのは本能であり、また、生きたいと心底思っている証拠。 故に心の底とは。 生きようともがき、楽になることを常に望む。 それが私のルール。
ノンジャンルの作品もっと見る
公式作品もっと見る