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第36話

地獄へ落ちる、堕ちる。
- ぴーまん - 🐴






『 嘘をつくと地獄に落ちる 』

小学生の頃に流行った都市伝説のようなものだ。


嘘をついたら、地獄に落とされる。



それならば、この世の中の人間全てが
地獄に落ちるんじゃないか。


今ならそう考える。



だけど、当時の俺は相当焦った。

そりゃあ、嘘は何回もついてきたし。



" 地獄になんて、落ちなくない "



まだ幼かった俺は、
ただ、そんなことを考えながら生きてきた。



今の俺?


まぁ、「今の俺」ならば、
落ちてもいいと思っている。


あいつに恋をしてから、

(こんな自分は地獄に落ちればいい)

と、何度思ったことか。


この気持ちに嘘をつき続けて来たのだから、
確実に地獄行きだ。



男を好きになるのは、もちろん初めてで、


でも、ずっとこの沼にハマったままで。


" 普通の " 恋よりも、

胸が苦しくて、苦しくて……


甘酸っぱいなんて言葉はそこにない。


ただ、苦痛に踊らされているだけ。



あいつを想う気持ちが、俺の身体を、


…心を、蝕んでいくだけ。


-


頭上から聞こえる音で目が覚めた。


ここが現実なことを示しているかのように、

音は俺の鼓膜に五月蝿く鳴り響いている。


久しぶりに悪い夢を見た。


目覚まし時計を止める。



ゆっくりと体を起き上がらせ、大きく伸びをする。

それでも不快感は消えない。


ベッドから足を下ろして、
リビングへと続く扉を開く。



あぁ、やっぱりここは現実だ。



じんたん
おはよ
テオくん
おはよう



軽く朝の挨拶をする。


今朝の夢のせいだろうか。

やけに体が重い。


ソファに身を投げる。

このまま沈んで、俺を飲み込んでいって……

じんたん
朝ごはん、なにがいい?
じんたん
買ってくるから


突然、現実に引き戻される。


最近よく考え事…
いや、なにも考えていないことの方が多いか。

ぼーっとする時間が長くなった気がする。


目をこすって、答えた。

テオくん
おにぎり


行ってくるね、


その声と同時に
玄関からドアを開ける音が聞こえた。

そしてドアは閉まる。鍵をかける音。



もう一度、目を閉じて現実から遠ざかる。


-


落ちる、


落ちる、


堕ちる……。



暗くてドロドロとしたなにかに呑まれて、

深く、ゆっくりと堕ちていく。



手を伸ばしても、取る者は誰もいない。


孤独の世界。



どこまで深く堕ちたのだろうか。

感覚がおかしくなっていくのがわかる。


身体に負担がかかって、今にも潰れそう。



辛い、苦しい、痛い…………。



じんたん
テオくん起きて、
じんたん
はい、おにぎり
テオくん
ん、ありがと


しっかりしてよね、

とでも言うように、少しため息をつかれた。


目の前に差し出されたおにぎりを取って、
さっそく封を開ける。

そして頬張る。



…ただの塩おにぎり。

味気ない。


じんたん
おにぎりだけしか
言われなかったんだもん


そう言ったじんたんは、
俺と同じ塩おにぎりを口に運んだ。


-




いつまでこの気持ちを抱えて
生きていかなければならないのだろうか_



こんな俺が、天国に行けるはずがない。

地獄がお似合いだ。



霞む視界の中、
涙を流したじんたんの顔が見えた。


手を伸ばそうにも、腕の力が入らない。
鉛のように重い。

足も、感覚がない。

まるで、
地獄へと続く鎖で繋がれているようだ。


ふと、麻痺して朦朧とした頭で考える。



『 地獄とはどんな場所なんだろう 』



ここまで来ると、好奇心が湧いてくる。


幼い頃の俺と真反対のことを考えている。

大人になったのかな、俺。



記憶には、

あいつの笑顔がこびりついているだけで、
それ以外は覚えていない。

思い出せない。


じんたんの口から出てきた言葉は、篭っていて…
まるで、遠くに居るかのような…



でも、これだけはハッキリと聞こえた。




好き。




俺もだよ。



そう答える間もなく、俺は意識を失った。


END.

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カミネ
カミネ
2019/3/5 ⏩ 更新 クラスのカップルがお熱いので!!!! テオじん冷め気味御免!!!! 私がフォローした人の作品のお気に入り全部外しました~お気に入り外してもたまに見に行きますのでご安心を~ 🐴 自己紹介 🐰 ・4月から高校受験生 ・多忙(でもない) 🐴 好き 🐰 【CP】 <スカイピース> ・🐴→🐰 ・🐴×🐰 ・🐰×🐴 <進撃の巨人> ・エレリ ・エルリ ・ジャンエレ(リバ可) <おっさんずラブ>(now推しカプ) ・牧春(リバ可) 【ストーリー】 ・片思い ・バドエン ・暗め ・歌詞小説"風" 《リアルな話は好き》 【性癖(フェチ)】(*ˊᵕˋ*)<暴露しちゃうゾ ・小スカ ・射○管理 ・玩具 ・抜き合い ・骨フェチ(主に手.足首) ・ショタ(小声) ・靴下の長さにこだわりある((キモイ ・受けにはナース服着させたい 🐴 注意 🐰 ・🐢更新&低浮上 ・マニアック性癖 ・自称バドエン勢 ・コメント長文民 ・ただの変態 ・ビックリマーク(!!!)の人 ・クラスの男子にバニーガール着せたりしたい系中学生 ・心臓がズタズタに引き裂かれた気分。 血が滲み出るかのように、この気持ちは汚く綺麗である。鮮やかな赤に1人、目を閉じて横たわる。 声にも嗚咽にもならなかったものが喉から這い出てきた。 頭の中では理解しているつもりなのに、この眼に映っている事実に体を縛り付けられている。 最後まで輝いていたであろう魂は、いつか忘れ去られてそこには何も残らなくなる。虚無。なんと残酷な。私は変わってしまった。汚く、綺麗になってしまった。 もう楽になりたいと心底思っているのに、まだもがき続けるのは本能であり、また、生きたいと心底思っている証拠。 故に心の底とは。 生きようともがき、楽になることを常に望む。 それが私のルール。
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