第5話

放課後の3秒
810
2018/05/11 07:45

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藤枝
...なんだよね
寺島
えっ、まじ!?
俺も俺も!
藤枝
寺島も!?
うわ、すげぇ


寺島は楽しそうに
口を大きく開いて笑った。


…俺の好きな物、

好きな歌、

好きなゲーム、

好きな食べ物……


色々なことを聞かれた。


こんなに楽しい会話、いつぶりだったっけ?
-

机の上に座って、夕焼けを見ながら
他愛の無い話をする。

夕日は赤くキラキラと輝いている。


寺島の方を向くと、夕日が反射して

なんだか、

とっても綺麗だ。


そんなことを思っていると、
寺島も俺の方を向いてきた。


目が合ってしまって、俺は思わず笑ってしまった。

寺島
藤枝、そんな顔できるんだ
藤枝
なに、そんな顔って
藤枝
寺島だって横顔イケメンじゃん
寺島
あはは、ありがと


寺島はそう言って
また窓の方を向いた。


あ、ピアス開けてたんだ。

3つ並んだピアスが
反射して赤く光っている。


そんな姿を見たら、
誰だってドキッとしちゃうよな。

男でも、ね?

寺島
あ、もうこんな時間じゃん

ふと時計を見ると
あと少しで校門が閉まる時間になっていた。


1人で歌ってた時より、

2人で笑い合っている時の方が

時間が流れるのがはやい気がした。

藤枝
もっと寺島と話してたかったのに


思わず口に出てしまった。

何言ってるんだ俺。

気持ち悪いじゃん。


ただ話し相手になってやっただけなのに、
なに友達気取りしてんだろ。

俺、おかしくなっちゃったのかな?

寺島
じゃあLINE交換しとこ
藤枝
えっ……あ、うん


寺島がスマホを取り出した。


あ、俺クラスの人のLINE、
1人も持ってなかったんだ。


じゃあ、寺島が1番最初だな。

なんて思って少し嬉しくなってしまったのは
なぜなんだろう。

藤枝
じゃあ、俺先帰るね


今日は大好きなアニメの放送日だ。

どうせならリアタイで見たいし、
早く帰ろう。

藤枝
ばいばい


別れの挨拶をしたのは久しぶりだ。


カバンを持って
ドアの方向へ早足で向かったら
教室から出る寸前に後ろから腕を掴まれた。

前のめりになって、転びそうになった。

危な………

藤枝
なに?


寺島の方へ振り返ると










唇になにかが触れた。


目の前に寺島の顔がある。

やっぱこいつ、目を閉じててもイケメンだな。


…あれ?

俺……今寺島と…………


なんて考えている内に
唇からなにかが離れた。


寺島
さ、3秒ルール…だから……


そう言って寺島は走って教室から出て行った。


















だけどさ、


あいつが俺の唇に落としたキスの時間。


ストップウォッチには、
こう表示されてるんだよね。
藤枝
…珍し






























__3.01秒。

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