あれから数日が経った。
直人との関係は今も幼馴染の関係のまま。
私が直人を好きな気持ちを知ったら、直人はどんな反応をするんだろ?
そんな事がふと頭をよぎる。
私は一緒に居られるならそれで十分だと自分自身に言い聞かせていた。
ある日の朝の事だった。
下駄箱を開けると1通の手紙が入っていた。
躊躇してたら、直人がそれに気づいて
『もしかしてラブレター?』って顔を覗き込んできた。
私は慌てて鞄の中に入れた。
なんだか直人に見られたのが恥ずかしかったからだ。
直人が『何て書いてあるのか気になるな』って話しかけてきたけど、
私は『そんなんじゃないよ』と話を終わらせてしまった。
直人は興味本位に聞いてきたのかもしれないけど、なんか嫌だった。。。
昼休み、私はダッシュで屋上に行った。
今朝もらった手紙を早く読みたかったからだ。
初めてのラブレター。
ずっと手紙の事が気になってしまって授業も手につかず、ずっと胸がドキドキしていた。
中身はガチのラブレターだった。
私の事をみてくれていた人が居たなんて。。。
正直、嬉しかった。。。
今まで直人の事しか頭になかったから、こんな風に1人の女性としてみてくれてる人が居た事が嬉しかった。
しかも、私の事を好きだと言ってくれてる。
初めての感情に胸が踊った。
ラブレターを書いた相手は隣のクラスの拓哉だった。
拓哉とはクラブが同じで、1週間に1時間だけ顔を合わす関係。
何のクラブかというと、バスケットボール部。
彼はレギュラー。私はその場限りのマネージャー。
そんな関係だから、話したりはしていたけど、
まさか私の事を好きだとはビックリしてしまった、、。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。