『美優が好きなのは俺じゃないでしょ』
拓哉は少し悲しそうな顔を見せた。。。
なんて事だ!!!
胸の内を拓哉に見透かされていたなんて!!!
私は急に申し訳ない気持ちでいっぱいになり、思わずうつむいてしまった。
拓哉の顔がまともに見れなくなった。。。
『俺はね、好きな人には幸せになって欲しいの。だから直人のところに行っていいよ』
まさか、拓哉からそんな言葉を聞くとは思わなかったから正直ビックリした。
急に涙がこみ上げてきた。。。
なんでそんなに優しいの??
拓哉は私の涙をそっとぬぐって、
『こんな風に美優の涙をぬぐってあげれるのも今日で最後かな』
拓哉の言葉に号泣。。。。。。
私は大人の対応をする拓哉に、改めて、いい男だなって思った。
『美優が何でもないふりをしても、俺には分かるんだよ。』
『なんで分かるの?』
『好きだからだよ。ずっと美優の事をみてきたから。。。』
まっすぐな拓哉の気持ちに胸が痛くなった。
こんなに私の事を好きでいてくれてるのに、それなのに私は……。。。
そんな彼を裏切る事は出来ない。。。
私は自分の気持ちを打ち消そうとした。
『拓哉……、あのね、私ね……』
すると、拓哉はそっと私の唇に手を当てた。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。