『それ以上は言わないでいいよ。美優は優しいから、きっと俺の事を考えて直人のところには行かない!って言いそうだけど』
なんで……、分かるの⁇
拓哉には私の心が読めるみたいだね。。。
『これからは友達として付き合っていこう』
そう言うと、拓哉はそっと私を引き寄せてギュッと抱きしめた。
『俺の可愛い美優。幸せになるんだぞ』
私は拓哉の胸のなかで思いっきり泣いた。。。
こんなに私の事を想ってくれる拓哉。
そんな拓哉の手を離してしまって、本当にいいのかな。。。
拓哉の胸の中が温かくて気持ち良くて、私はしばらく顔をうずめていた。
学校からの帰り道。
いつものように拓哉と手を繋いで帰った。
私の隣には拓哉の優しい笑顔。
拓哉の手の温もりに癒される。
拓哉の隣は居心地がいい。
今日で拓哉とお別れするのか…。。。
いつもの別れ道に到着。。。
拓哉がいつもの優しい笑顔で言った。
『最後は笑顔でお別れしよう』
私はまた泣いてしまった。
拓哉が
『今までありがとう。楽しかったよ』と、私のホッペにキスをした。
『私も凄く幸せだったよ。こんな私を好きになってくれてありがとう』
私は精一杯の気持ちを伝えた。
いつもより、夕日が儚く綺麗に見えた。。。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!