『直人。私ね………。』
私は告白する前に大きく深呼吸をした。
『私は直人が好き。直人は私の事を妹としか見てないのは分かってる。でも、気持ちを知って欲しくて…』
私は素直な気持ちを直人にぶつけた。
直人の顔を見ると、今まで見た事がないような表情をしていた。
私は、
『返事は分かっているから答えなくて大丈夫だよ。ただ、気持ちを伝えたかっただけだから』
と笑顔で流した。
今までのモヤモヤした気持ちを吐ききったら、なんだかスッキリした。
『直人、これからも変わらず仲良くしてね』
私はちょっと可愛く言ってみた。。。
あんなに直人の彼女になりたかったのに、今は妹みたいな存在でもいいなって素直に思えるようになっていた。
これからも直人を想う気持ちを大切にしたい。
『直人、大好きだよ。これからもずっと…』
私はもう一度、自分の気持ちを口に出してみた。
一度言ったら、なんだか何度でも言いたくなってきた。
『直人、だ〜〜〜いすき』
今度は思いっきり叫んでみた。
直人は珍しく顔を真っ赤にしていた。
恥ずかしそうにしている直人が、これまた可愛く愛しく想えた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。