1週間のあなたの退院が終わった後、また俺の仕事は忙しくなった。
そして、あなたとあの丘に行った日から1週間が経った。
あなたは元気だろうか。そう思いながら花束を持って病室に行くと泣き声が聞こえた。
涙を拭くあなた。その姿を見ているのが悲しくて、辛くて…。
俺はいつの間にか花束を床に落としてあなたを抱き締めた。
俺はあなたから離れて椅子に座った。
そうか。たしかに今日は放送日だった気がする。
よかった、と安心したら涙が流れた。
このときの俺は、まだ知らなかった。
この会話がまさか、あなたとちゃんと話せる最後の会話になるなんて。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。