第6話

偶然
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2017/10/07 03:44
今は、美術の時間。
あー、暇やー、なんもする事がない。

「なーなー、お前、バスケのポジションどこ?」

薫が、こそっと耳元で話しかけてきた。私はその行動にドキッとしたがあまり気に留めず、

「ポイントガードだよ」

と答えた。すると、薫が、

「そーやっちゃね。俺は、フォワード」

ん…?なんか聞いたことあるかもしれない。確か、もしかして県選抜の、あの、遠藤薫?

「もしかして県選抜だった、遠藤薫⁈
遠藤洸⁈」

「え、そうやけど…真面目に薫?」

「うん。ていうか、お前も?洸なのか?」

「そうやけど、こんな事ってあるんかな?」

「めっちゃ偶然やな」

「なんが偶然なの?」

話に、前の春と、斜め前の透が聞いてきた。このことを話すと、やっと透の事を思い出したらしく、大声で騒いでいた。

「一応私も県選抜だよ…」
春が、急に言った。そう言われると、昔のことを振り返ると、私は自分しか考えられてなかったから、周りをあんまり見てなかったのかもしれない。春は、身長が低いが、パワーフォワードどやっていたそうだ。

それから、私達は、昔話で盛り上がった。

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