カイSide
あなたをあんな目に合わせた榊田。
許さねぇ。
隣を見ると昨日のことなど無かったかのようにへらへらしているこいつに苛立った。
あームカつく。
いやこいつ。
何言ってんの。
我慢できずに大声を出すと教室が静かになった。
あぁ、みんなこっちみてる。あなたも。
いやこいつだけ、榊田だけ態度が変わらなかった。
こいつ目が笑ってない。
黙って席に着いたら横から小声で
っこいつ!!
なんだなんだ、なんなんだ??
あなたSide
?!
びっくりした。カイくんが怒鳴ってる。愛華ちゃん…に…??
さっきまで話してたのんも目を丸くして視線をやっている。
カイくんは黙って席に着く。
愛華ちゃんは小声で話しかけてて。
カイくん、肩が震えてる。
どうしたんだろ。
~放課後~
そんなふうに言っちゃったけど、全然いいわけがない。愛華ちゃんとおかしかったし。
やっぱり尾行して着いていくべき…?
それとも教室で待っとくべき…?
1人でもんもんと考えているとれんが声を掛けてきた。
よかったれんありがたいなぁ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。