「皆さま、ご入学おめでとうございます。」
体育館中に響き渡る、聞き飽きた言葉
今日は桜ヶ丘高校の入学式
教室に帰ってきた私たちはため息をついた
「疲れたねー笑」
「あの先生話長いよね笑笑」
はぁ、私も高校生か。
そう思ったさらはクラスの中にとても
馴染んでいた。
「さらちゃんってどこ中?」
「さらちゃんってめっちゃ可愛いね」
「今日終わったら遊びにいこーよ!」
東京で暮らしていたさらは注目の的
田舎の中学からきた子しかいないこの高校では
さらが飛び抜けて可愛かった。
さらはふと、隣の席の男の子が気になった。
どこかでみたことがある顔だったのだ。
「ねえ、君どっかで会ったよね?」
さらは声をかけた。
彼はびっくりした顔でさらをみた。
彼は「会った覚えがない。」
そう言ってクラスの男子の中へ入っていった。
「あの人イケメンだよね!」
「連絡先交換してもらおうかな笑笑
さらもいこーよ!!!」
さらは立ち上がり、彼と連絡先を
交換した。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!