第3話

その手との出会い 穂乃
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2017/10/08 06:14
その手との出会いは、わたしの親友芹のおかげだと言っていいだろう。

芹はその日、わたしに新しくできた彼氏を紹介した。
みてみてぇー!
かっこいいでしょ?
宗っていうの!
わたしは作り笑いを浮かべ、頷いた。
こんにちは、津田宗と言います。よろしくね?林穂乃さんだよね?
穂乃
あ、はい。よろしくお願いします。
結構いい感じの人だなぁと、わたしは思った。その瞬間、わたしは彼の手に見惚れていた。
(なんて綺麗な手なんだろう。あの手で触れられたい。手に入れたい!)
私の心は、今まで以上に高鳴っていた。
林さん?
穂乃
あ、はい!
どうしました?
いや、ボォーとしてたように感じたんで、大丈夫かなぁと
穂乃
あー、すいません。大丈夫です。ってか芹は?
あー、トイレにいきましたよ?
あ、そうだ。せっかくなんでライン交換しときません?
(これは近くチャンス!)
穂乃
あ、はい!喜んで!
芹がトイレから帰って来たので、2人は喋るのをやめた。私は、もっと宗くんの手が欲しいと思った。
その時!!
芹が宗の手に自分の手を絡めた。
私の胸が誰かから鷲掴みにされたように痛かった。
(それは、私の手なのに、触るな!!!)
私の心は怒りと嫉妬で満ちていた。息ができなくなる。苦しい、苦しい…
大丈夫?
宗の手が、私に触れた。
一気に力が戻ったみたいだった。息も楽になり、心もスッキリと晴れわたった。
穂乃
うん、ありがとうございます。
え?穂乃具合悪かったの?
穂乃
うん、ちょっとね
そんな時に呼び出してごめん🙏
穂乃
大丈夫。今日はもう帰っていい?
うん!気をつけてね?
お大事に
穂乃
じゃあ
私2人と別れて、どうやってあの手を手に入れるか、頭をフル回転させて家路に着いた。

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