私もゆっくり浸かってお風呂から出た。
しっかりと体を拭いて
下着の上にトレーナーと簡単なスウェットを履く。
リビングに入っていくと、
大きな窓から優しい風が吹き込んでいて
白いカーテンがなびいていて、
朝日が差し込んでいて
グク先輩がテレビを見ていて
グク先輩は首にタオルを巻いていて
ちらっとこっちを振り向く
そして優しく微笑む。
毎日がこうだったらいいのに。
そう心から思った。
膝をぽんぽんしながら
そう言って優しく手を差し伸べてくる。
ぎゅっと手を握ると、
ソファの上で
向かい合わせになるように膝に座らされる
私のおでこにコツンと、おでこをくっつける。
ほっぺを優しく包みながらそんなこと言うもんだから赤面せずにはいられない。
顔を真っ赤にしながら私を見上げる。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!