体育館に全校生徒が集まった。
いつもは広く感じる体育館も今は窮屈だ。
あなたは、襲ってくる眠気と戦いながらそう考えた。
「春休みも明け、無事に皆さんと始業式出会うことが出来て本当に嬉しいです。もう少しで1年生が入学して…」
毎回同じような内容の校長の話。
声がよく聞こえる静かな空間。
眠気が襲ってくるには絶好なタイミングだ。
あなたは眠ってしまった。
「起きて!」
紗奈の小声で目覚める。
だいぶ眠っていたのだろう、始業式は終わりそうだ。
終わる前に起こしてくれた紗奈に感謝をした。
「これで第50回始業式を終わりにします。」
教頭により、始業式は終わった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。