窓の外を眺めていると、必ず、ある記憶を思い出す。
「あっ、○…」
私の顔を見た彼は、すぐに逆方向に振り返り姿を消した。
(…いつからだっけ、心の底から笑えなくなったのは……)
「…ん、…さん、まかわさん、東川さん!」
気がつくと、先生が私を見ていた
「さっきから、ぼけーっとしていましたよ。授業に集中してくださいね!」
「す、すみません…。ちょっと、青空が綺麗だったので、つい…」
すると、周りの人たちから
「おいおい、まだ始まったばっかだぜ?笑」
「一緒に頑張ろ!」
などと、いろいろ言われ、元気になった。
そうだ、私は“誰か”の光で輝いている「月」だ。
でも、その裏側はどうなってるか、誰も知らない。
もちろん私も。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。