席替えをして数日がたった。
麻生ちゃんとは仲良くやっている。
でも席が離れて馬渕くんと話す機会は減ってしまった。
そんな時に麻生は色めき出した。
好きな人ができたのだろう。
私は麻生ちゃんに聞いたけど全然教えてくれなかった。
周りの友達は知っている様だった。
でも私には全然教えてくれない。
やっぱり、友達としてまだ信頼されてないのかな?
まだ、出会って2ヶ月ちょっとだしな。
そんなふうに割り切ってはいたけど、私だけ輪から外されたようで、いい気はしなかった。
それから1週間くらい、問いつめたけど教えてはくれなかった。
来週からは期末テストだし、集中しよう。
そんなふうに気持ちを切り替えようとした時に、麻生は言った。
聞かなきゃよかったと思った。
なんで、よりによって馬渕くんなんだろう。
そんなふうに思った。
こんな私の気持ちは誰にも話せるわけがなかった。
いったら、友達を失う気がした。
そんな怖いこと私はしたくなかった。
とりあえず今、私は泣きたかった。
心のそこからそう思った。
私の心の中はぐちゃぐちゃになってしまった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。