第13話

目。
60
2017/10/11 12:50
馬渕 樹
やば、メガネ忘れてきた。
いつもはコンタクトの馬渕くん。
今日は部活が休みだから、メガネの予定だったみたい。
でも、肝心のメガネを忘れてる…。
どういうこと。
私にはまず、笑いがきた。
授業がはじまって、先生と人盛り上がり。
馬渕くんも私もその盛り上がりの中にいる。
先生がある写真を見せた。
その写真、誰かに似ていた気がした。
でも私は小さな誰に似ているか思い出せなかった。
すると、馬渕くんは急に私の方を向いた。
馬渕 樹
あれ、情報の先生に似てない?
それだ!
鵜浅 颯夜架
あはは!めっちゃ似とるやん!!!
私達は二人同時に笑い出した。
クラス中が私たちに注目した。
なんだな、二人だけの秘密、みたいで嬉しかった。
そんなことがあった後、ようやく授業に移る。
先生が電子黒板を指しながら説明して、黒板に時を書き始める。
みんなはノートを開いて、黒板を写す。
すると、馬渕くんはまた私の方を振り返った。
鵜浅 颯夜架
何?
私がそういうと、馬渕くんは何も言わずにノートを書いて、また振り向いた。
そっか、黒板が見えないのか。
一番前でも角度的に見づらい。
それプラス、メガネを忘れただけある。
見えないはずだ。
私はそんな馬渕くんが可愛く思えた。
なんだか、微笑ましかった。
頼られた気がして嬉しくなった。
そんな授業も終わった。
すると、実莉ちゃんが私に駆けよってきた。
湖東 実莉
麻生、めっちゃ見とったよ。二人で笑いよった時。
あ。
全然気を向けていなかった。
小湊 華乃
なんか、睨んでた感じ。
華乃ちゃんが付け加えた。
やばい、本当にやばい。
完全に目をつけられた。
この前までのターゲットはひな子ちゃん。





これからのターゲットは、私。

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